アクセスランキング、1位は羽田米国線、年末年始の予約状況も

[総評] 今週は、羽田/米国間路線に関する新しい動きの記事が1位になりました。デルタ航空(DL)が保持する1日2便分の発着枠のうちシアトル線で使用している1便分について、米国運輸省(DOT)が公益性の観点から他の路線への振り替えを含めて検討するというものです。

 事の顛末は、DLが羽田/シアトル線を冬ダイヤで一部を除いて運休することを決めたことから始まり、これに対してアメリカン航空(AA)とハワイアン航空(HA)が噛み付いて自社便に振り替えるようDOTに求めました。

 季節ごとの需要の多寡に応じた減便や運休はほとんどの航空会社もしているでしょうし、夏ダイヤになればきちんと復便するというDLの言い分は理解できます。しかし、一方で貴重なものなのだから使わないのはもったいないという発想も自然で、DOTが最終的にどのように判断するのか注目が集まります。

 ゼロベースで考えると、一般論として使われていないリソースを転用することで価値を生むことができるのであればそうするべき、ということに異論はないでしょうし、であればこそDOTも検討を開始したのでしょう。

 ただ、その「価値」をどう評価するかが問題で、公益性という意味では雇用創出効果なども考慮すべきかもしれませんし、あるいは日本側に提携する航空会社のないDLから枠を奪うことで競争環境に歪みが生じる可能性など負の価値も計算に入れなければなりません。さらに、将来的な事業拡大による累積的な価値の拡大も当然無視できません。

 DOTの検討開始を受けて、今後はDLとAA、HA、そしてもしかするとユナイテッド航空(UA)を含めた米系各社が、自ら最も公益性が高いと訴える路線について根拠を添えて事業計画案が提出されることになりますが、まずは早くそれらの中身を読み、各社の主張を見比べたいところです。

 なお、今週は年末年始の予約状況に関する記事も多くランクインしています。年初には「新年も10日が過ぎましたが、当欄の原稿を書くに当たりふと思いついて計算してみると、365日のうち10日間は全体の2.74%でした。過ぎてしまえばあっという間の1年も、こうして見ると使える時間はずいぶんたくさん…」などと書いていましたが、結局のところ光陰矢の如く過ぎ去り、果たして有効な時間の使い方をできたかと自問してしまいます。

 来週は、この12ヶ月で掲載した記事を対象に年間ランキングをご紹介し、これをもって年内の配信を終了する予定です。年間ランキングは毎年実施していますが、忘れていたニュースや意外なニュースが上位に来ることも多く、集計する側も面白く感じています。2015年がどのような1年であったか、皆様の振り返りにもお役立ていただけるのではないかと思いますので、是非ご覧いただければ幸いです。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年12月第3週:12月14日0時~12月19日18時)
第1位
羽田米国線、DLシアトル枠を再配分も-運輸省が運航計画募集(14/12/16)

第2位
海外旅行業況、欧州不調、近距離は回復傾向-3ヶ月後も低調(14/12/17)

第3位
ガルーダ、機内入国審査プログラムを終了-15年1月7日まで(14/12/15)

第4位
ブリティッシュ・エアウェイズ、英国往復2.5万円から-4日間限定で(14/12/16)

第5位
LCC3社の年末年始、座席、旅客増も予約率は減少-新興CRRは予約率増加(14/12/15)

第6位
JAL・ANA、年末年始の国際線予約2桁増、予約率9割超も(14/12/14)

第7位
韓国、15年日本人は300万人目標、地方強化で旅行会社に協力要請(14/12/18)

第8位
タイ国際航空、成田/バンコク線にA380追加導入、1月から(14/12/16)

第9位
東名阪4空港、年末年始の出入国者は7.5%増、羽田が牽引(14/12/14)

第10位
年末年始の海外旅行、1位はハワイ、国内は沖縄-JATA調査(14/12/17)

第11位
JTB予想、15年出国者は0.4%増の1700万人-国内1%増、訪日13%増に(14/12/18)

第12位
チャイナエアライン、設立55周年で日本全便10%引セール開催(14/12/15)

第13位
全日空、燃油サーチャージ値下げ、最大5000円安く(14/12/17)

第14位
JAL・ANA、年末年始国内は予約減-323万人、予約率は58.2%(14/12/15)

第15位
バニラエア、成田/仁川線運休、15年夏ダイヤから(14/12/18)

第16位
アシアナ、羽田・関空/金浦線など便名変更、15年1月から(14/12/14)

第17位
USJ、新たな公式ホテルが15年夏に開業、メインゲート正面に(14/12/15)

第18位
ANAグ、国際線エコノミーの手荷物2個まで無料、規則を改定(14/12/16)

第19位
LH・OS・LX、エコノミーの受託手荷物2個に、重量など変更なし(14/12/17)

第20位
東京空港交通、リムジンバスを最大66.7%割引-TCAT/成田間で(14/12/15)