韓国、15年日本人は300万人目標、地方強化で旅行会社に協力要請
700万人達成は2年以内
日本人回復で地方観光強化
中国人増も日本人の重要性変わらず
日本人向け旅行会社は「危機的状況」、送客協力求め
訪韓日本人が減少する一方で、増加しているのは中国人だ。今年の外国人訪問者数は1400万人となる見込みだが、中国人訪問者数は急増しており、600万人と最も多くなる見通し。外国人訪問者に占めるシェアは中国が1位で40%程度。日本は以前は1位だったが、現在は2位で25%程度まで低下した。
日本市場の規模が縮小する中、林氏は「数は中国だが、コンテンツでは日本人。日本人ほど繊細な文化を好む観光客はいない」と日本市場の重要性を強調。特に地方観光を発展させたい韓国にとって、地方観光の需要があり、地方での文化的体験や観光を楽しむことができる観光客は日本人であると語り、「日本人にはもっと増えて、地方に訪問していただかなないと、今後韓国の発展には繋がらない。地方のコンテンツ開発に寄与してもらいたい」と協力を求めた。
また、林氏は日本人を取り扱う韓国の旅行会社が、訪韓日本人の減少により「壊滅状態。一番大きな危機を迎えている」点を課題として指摘。日本人を復活させ、業界を盛り返すためにも日本の旅行会社の協力は必要と語った。
今回FAMツアーの手配などで協力した現地旅行会社のハンナラ観光常務理事の趙南吉氏も、日本人を扱う韓国の旅行会社の状況について危機感を募らせる。同氏によると、旅行会社を廃業する場合や中国人を扱う会社に転向するケースなどがあり、日本人に対応できる人材がどんどん減少しているという。
日本語ガイドも最盛期の3分の1程度まで仕事が減少しており、厳しい状況。中国語ガイドに転向するケースに加え、若い日本語ガイドが育たないなどの問題が出ているとした。
ハンナラ観光でも人員を半分程度削減するとともに、7月から一部中国人の取り扱いを開始。ただし、趙氏は「最も重要なのは日本人」であると強調。日本の旅行会社に対し、「売れないから作らないというが、作らないと何もできない。韓国商品を作ってほしい」と呼びかけた。
なお、趙氏は中国人観光客増に対する宿泊施設減の懸念についても言及。中国人観光客は増加しているものの、中国人は4つ星以下のホテルを利用し、日本人向けのホテルはそれほど利用していない状況を説明し、安心して送客してほしいと語った。