韓国、15年日本人は300万人目標、地方強化で旅行会社に協力要請
700万人達成は2年以内
日本人回復で地方観光強化
日本旅行業協会(JATA)は12月8日から12日まで、1000名規模の「韓国MEGA FAMツアー」を実施した。韓国観光公社(KTO)や韓国各地方自治体、航空会社などの協力で開催したもので、2015年の日韓国交正常化50周年に向け、韓国販売の機運を高めるねらい。旅行会社を中心に、12月8日から10日の第1班として515名、10日から12日の第2班として490名、計1005名が参加した。今回は第1班に参加し、韓国の現状と来年の需要回復に向けた取り組みを取材した。
15年の訪韓日本人、300万人目標に
相互交流700万人、2年以内に実現を
日本と韓国は相互交流人口700万人を掲げ、相互交流の強化に取り組んでいる。KTOによると、2012年の訪韓日本人は351万人、訪日韓国人は204万人で、相互交流人口は556万人。しかし、2013年は訪韓日本人は274万人、訪日韓国人は246万人、相互交流人口は520万人と減少。2014年の1月から10月累計では、訪日韓国人は6.8%増と増加しているが、訪韓日本人は16%減と減少が続いており、14年累計では230万人を下回る見込みだ。訪日韓国人は回復傾向にあるが、訪韓日本人は両国の国交問題や円安傾向などが長引き、減少が続いている。
こうした状況を踏まえ、KTOの卞秋錫(ビョン・チュソク)氏は初日に開催されたレセプションで「来年は日韓交流の低迷期から脱し、新たな段階へと飛躍する、リスタートする年にしたいと考えている」と発言。FAMツアー第1班の団長を務めた阪急交通社代表取締役社長の松田誠司氏も「(2015年は)イベントの提案や事業の推進を通じ、KTOの皆様と手を携え需要を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。
12月10日の意見交換会では、KTO日本チーム長の林用黙(イム・ヨンムク)氏が2015年の訪韓日本人の目標を発表。「欲を言えば350万人をめざしたいが、13年の274万人をまず取り戻す。(15年は)少し増えて300万人を達成したい」と意欲を語った。700万人については道程は長いとしながらも「少なくとも2年のうち」に実現させたい考え。700万人のうち訪韓日本人は400万人、訪日韓国人は300万人を見込む。
これを受けて、JATA海外旅行推進部長の重田俊明氏は「レベルの高い取り組みになるとは思うが、折角のチャンスをいただいたので、業界の皆様に頑張って販売をお願いしたい」とコメント。2016年の海外旅行者数2000万人の目標達成のためにも「韓国が(目標の数字に)いかなければ全体の数字も達成できないだろう」と韓国の重要性を強調した。
JATAでは来年の50周年に向け、11月に海外旅行推進部内に「日韓国交正常化50周年プロジェクト」チームを立ち上げ、第1回会合を開催したところ。また、来年のパンフレット展開に間に合うよう、「日韓国交正常化50周年」のキャンペーンロゴも作成。「旅の交流で未来を拓く」をキャッチフレーズに、韓国旅行の需要喚起や韓国商品の販売促進での活用をはかる。パンフレットやポスター、ウェブサイト、新聞・雑誌広告、イベント旅行関連出版物、名刺、封筒、グッズなどで利用可能とした。