JATA、CITMに訪中団派遣、訪中日本人回復に期待の声

  • 2014年11月19日

 日本旅行業協会(JATA)は11月13日から16日、上海で開催された中国国際旅游交易会(CITM)に会長の田川博己氏を団長とする訪中団を派遣した。訪中団の派遣は、ツーリズムEXPOジャパンで中国代表団の表敬を受け、それに応える形で実施したもの。JATA役員と海外旅行推進委員会、訪日旅行推進委員会、中華人民共和国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会(中連協)役員などの計38名が参加した。

 現地でJATAが主催した日中観光交流パーティーで田川氏は、日中間の観光交流について「この2年間非常に困難な時を過ごした」としながらも「ようやくAPECにおいて首脳会談が実現し、好転の兆しが見えてきたところ」と説明。観光分野でも6月に国土交通大臣の太田昭宏氏が訪中し、中国国家旅游局長の卲琪偉氏と会談するなど「先駆けて復活への動きが進められている」と述べ、回復に期待を示した。来賓として登壇した上海市旅游業協会常務副会長の朱承蓉氏も、「中国から日本は好調、日本から中国は不調」とし、「日本から中国への復活に期待している」と語った。

 また、田川氏は今後の日中間の観光交流では「我々に求められているのは『新しい中国』『新しい日本』のコンテンツをどう作り、見せていくか」と発言。「そのためには、このような交流の場を設け、会って意見交換をすることがとても大切」と話した。JATAでは海外旅行委員会で「政策的な仕組みを変える」「需要喚起」「新しいデスティネーションの需要創造」のテーマごとに部会を設け、海外旅行者数の増加に向け取り組んでいるところ。JATAによると、中でも落ち込んでいる中国や韓国への需要を取り戻すことを重点的に展開していく方針だという。

 今後は中国側からファムトリップを提案されているといい、現在JATA会員に対し、参加者を募集している。今後は中国側と相談の上、相互交流人口の拡大に向け協力して注力していくとした。

 このほか、交流パーティーでは観光庁長官の久保成人氏が登壇し、「中国から日本への旅行については好調」と説明。日本から中国についても「訪中団の編成など観光庁として努力は惜しまない。相互交流の強化に向けて頑張りたい」と意欲を示した。在上海日本国総領事の小原雅博氏も、2014年現在、日本行きのビザの発給件数は80万件を突破し、2012年の2倍以上となっていることを報告し、訪日外客数の好調さをアピール。今後の課題として、宿泊施設やバス、ガイドなどの観光インフラの整備の必要性を述べた。