10月の訪日外客、単月過去最高の127.2万人-累計で1100万人超え
日本政府観光局(JNTO)によると、2014年10月の訪日外客(推計値)数は前年比37.0%増の127万2000人で、1ヶ月あたりの訪日外客数として過去最高を記録した。1月から10月までの累計では27.1%増の1100万9000人。10月時点で昨年の1036万3904人を超える結果となった。
JNTOによると、10月は国慶節などでもともと訪日外客数の多い時期だが、円安による割安感の浸透や消費税免税制度の拡充、大型クルーズ船の寄港、秋のチャーター便の就航、大型国際会議の開催などで増加。国慶節休暇中の集客をターゲットにしたプロモーションや、各市場で日本の紅葉の魅力を集中的に発信するなどの取り組みも奏功したという。
11月19日の定例会見で観光庁長官の久保成人氏は、好調の要因としてアジア諸国の経済成長や東京オリンピックの開催決定、各国に対するビザ発給要件の緩和なども列挙し、「周囲の環境が整ってきた」と説明。2014年通年の訪日外客数については「1300万人前後」との見方を示した。なお、1300万人の達成は11月と12月がともに前年から16.9%以上増えれば可能であるため、達成はほぼ確実と見られる。
市場別では、主要18市場がすべて2桁増と好調に推移。ロシア以外の17市場で、10月単月として過去最高を記録した。特に伸び率が高かったのは中国、フィリピン、韓国で、それぞれ84.0%増の22万3300人、78.4%増の1万9400人、57.7%増の24万9600人となった。
中国は10月1日から7日の国慶節休暇で増加した後も需要が継続。韓国は円安を背景に、温泉や紅葉、アウトドアなどのプロモーションが奏功したという。また、ドイツは1ヶ月の外客数として過去最高を記録し、20.7%増の1万6500人となった。