関空、14年度上期は増収増益-外国人過去最高、直営事業も好調

  • 2014年11月18日

新関西国際空港常務取締役の竹嶋孝育氏  新関西国際空港(新関空会社)は11月18日、2015年3月期(2014年4月1日~9月30日)の中間連結業績を発表した。貨物を含む航空機発着回数と外国人旅客数が過去最高となり、昨年度下期から連結対象となったOAT(大阪国際空港ターミナル)グループも寄与した結果、営業収益は前年比32%増の741億8500万円と大きく増加。利益面も、営業利益は27%増の217億9300万円、経常利益は39%増の159億9100万円、中間純利益は39%増の96億9100万円と、それぞれ大きく増加した。

 同社常務取締役の竹嶋孝育氏は増収増益となった今期について、「2010年に関空と伊丹の経営統合、2013年にOATグループとの一体化をおこない、着実に経営の基礎作りを進めた結果」と総括。特に外国人旅客数の増加などを背景として、免税店や物販店などの直営事業が大きく貢献したことを強調した。

 関空の営業収益は10%増の541億3800万円。うち空港運営事業は5%増の327億円で、なかでも直営事業を含む商業事業が23%増の194億円と大きく伸長した。営業費用は直営事業収入の増加に伴う売上原価増などで7%増の383億1600万円となったが、営業利益は21%増の158億2200万円となり、関空単体でも増収増益となった。

 貨物を含む航空機発着回数は9%増の7万1000回で、上期では過去最高となった。旅客便については、国際線は夏ダイヤの拡充により12%増の3万9000回に。国内線はLCCの新規就航や増便により4%増の2万4000回となった。1日あたりの乗入便数は9%増の195.2便だった。

 航空旅客数は8%増の973万5000人。国際線は日本人旅客が5%減となったものの、外国人旅客が31%増で初めて300万人を超え、全体では10%増の654万5000人と過去2番目の旅客数を記録した。なお、日本人317万人に対し外国人は321万人で、初めて外国人の数が日本人の数を上回った。国内線もLCC効果により6%増の319万人となった。

 伊丹については、営業収益は運航機材の変更などにより着陸料収入が減少した結果、3%減の69億3900万円に。一方で、営業費用は3%増の31億8000万円となり、営業利益は8%減の37億5900万円となった。発着回数は7万回、1日あたり乗入便数は192.1便でともに前年並みだったが、旅客数は長距離路線の増便により5%増の738万7000人となった。OATグループは営業収益180億2700万円、営業利益17億3300万円だった。

▽通期業績は上方修正、LCC増便遅れも商業事業でカバー

 通期業績については、外国人旅客の増加が商業事業収入を押し上げることを見込み、営業収益を当初の1459億円から1472億円に上方修正。営業利益は353億円を据え置いたが、経常利益は金利の上昇などにより182億円から239億円に、当期純利益も91億円から128億円にそれぞれ上方修正した。このうち関空単体では、営業収益を1061億円から1071億円に上方修正し、営業利益は263億円から259億円に下方修正した。

 なお、貨物便を含む発着回数については、関空におけるLCC増便の遅れを反映し、当初の28万6000回を28万1000回に下方修正。旅客数についても3386万人から3375万人へと下方修正している。