JATA、みちのく潮風トレイルで「JATAの道」開始、初回は青森

  • 2014年10月30日

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、東北復興支援プロジェクトとして「みちのく潮風トレイル・JATAの道」を開始した。環境省が設定する東北地方太平洋沿岸のトレイルコース「みちのく潮風トレイル」の整備に参加・協力するもので、初回の活動として10月24日から25日にかけ、青森県の階上町と八戸市で道標の設置や地元関係者との意見交換会などを実施した。

 同プロジェクトは、2012年に1000名規模の視察団を東北に送った支援活動「行こうよ!東北」に続くもの。東北地方太平洋沿岸の環境整備などを通じ、景観の復興と文化の再生をめざす。今回はJATA事務局、首都圏および東北地方の会員企業、NPO法人の日本エコツーリズム協会などから66名が参加。団長はJATA副会長で国内旅行推進委員会委員長の吉川勝久氏が務めた。

 1日目はトレイルの階上町エリアで、環境省職員とともに道標の設置作業や牧場の清掃などを実施。終了後は地元の観光関係者と意見交換会をおこなった。2日目は八戸市エリアで蕪島神社を訪れた後、芦毛崎展望台からうみねこラインの岬まで地元ガイドの案内による散策を実施。その後、三陸復興国立公園の種差海岸で、JATAが寄贈した案内図の除幕式を開催した。除幕式には八戸市市長の小林眞氏が出席し、吉川氏に感謝状を贈呈した。

 29日に開催したJATAの定例記者会見で事務局長の越智良典氏は、2日間の活動について報告。訪れたエリアでは独自の植生が見られること、画家の東山魁夷氏が種差海岸の風景をもとに代表作の「道」を描いたことなどから、「(2エリアの)旅行商品価値は高い。地元も宣伝したいという気持ちが強い」と説明し、旅行会社と関係者との間では既に商品化に向けた話し合いが進められている旨を伝えた。

 同プロジェクトは震災発生から10年後の2021年3月まで、年に1回または2回のペースでトレイルの全地区において実施していく予定。JATAでは7年間で1000名の参加を目標としている。