ハワイアン航空、羽田の増便めざす、AAの要望支持
ハワイアン航空(HA)はこのほど、米国運輸省(DOT)に対してデルタ航空(DL)が所有する羽田の発着枠2路線分のうち1路線を没収し、再配分をおこなうように要請した。DLは現在、羽田からロサンゼルスとシアトルに就航しているが、シアトル線は冬ダイヤでほぼ運休することを決めているところ。これに対してアメリカン航空(AA)が先ごろ異議を唱え、DOTに対して1枠を召し上げ再配分するよう求めておりHAもこれを支持した。
HAはAAと同様、DLの戦略が貴重な羽田の発着枠を使用しないで「お蔵入り」にしようとするものであると批判。デトロイト線を廃止した上で、シアトル線も「重要な市場である」とDL自ら主張したにも関わらず季節運航としたことは、羽田の発着枠を他社から隔離し、それにより「成田をハブ空港として維持することが目的」であると訴えた。
また、DLが冬ダイヤでシアトル線の発着枠を失わないよう必要最低限の便数のみ運航することにも触れ、「公益を最大化するため、貴重な権利はそれを使用する航空会社に与えられるべき」とも強調した。
一方、AAがDLから没収した枠でロサンゼルス線への就航を申請していることについては反対。羽田/ロサンゼルス線はDLと全日空(NH)も運航している激戦区間であり、3社目が安定的に就航できるほどの市場規模はないとし、通年運航を条件として再配分をおこなうよう求めた。
再配分が決定された場合には、HAとしても発着枠を最大限活用できる通年の運航計画を申請すると明記。その上で、他社が東日本大震災の影響などで減便や運休をする中でHAは運航を継続したことなど実績をアピールした。
なお、DOTに提出した文書では、再配分となった場合の就航地や運航スケジュールは記載していない。HAでは過去、2010年の最初の配分時にホノルル線2便分を申請して1便分を獲得。その後は、DLがデトロイト線からシアトル線への切り替えを求めた際とAAがニューヨーク線から撤退した際にコナ線への乗り入れを申請している。