アクセスランキング、1位はAAの羽田申請、JTBの海外買収も

[総評] 今週の1位は、アメリカン航空(AA)が羽田/ロサンゼルス線の就航を米国運輸省(DOT)に申請したニュースでした。現在AAは羽田の発着枠を保有していませんが、シアトル線を運休するDLの枠を召し上げて自社に配分するよう求めています。

 記事でも一部を引用しましたが、お国柄とはいえ申請の文面(リンク※ページ内のPDFアイコン)ではDLを厳しく批判しており、日本人的な感覚からすると「ここまで書いて大丈夫なのか」と少し心配になるほどです。ただ、ロジックははっきりしていて、突き詰めれば「羽田の枠は貴重である。使われないのであれば我々に与えよ」というもので、DOTがどのような判断を下すか注目が集まります。

 また、AAは今回のシアトル線の発着枠とは直接関係のない、昼間時間帯に関する航空当局間協議の遅れについてもDLが原因として糾弾しています。この点はこれまであまり表立って言及されてこなかったように思いますが、これをきっかけとして議論が進むかも気になるところです。

 羽田関連ではこのほか、「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」のフォトニュースやエールフランス航空・KLMオランダ航空(AF/KL)の記事も10位以内にランクインしており、3位のノックスクートも首都圏への就航という意味で羽田に関わります。

 羽田と成田の棲み分けでは、羽田へ就航するためには成田路線を維持することが条件という航空局の不文律が一般メディアでも取り上げられており、AF/KLのプレスブリーフィングでも質問が飛びました。それに対して旅客営業・マーケティング部門最高責任者のパトリック・アレクサンドル氏も躊躇なく回答され、航空局の思惑とは裏腹に暗黙のルールが周知の事実となりつつあります。

 何でも包み隠さず“あけっぴろげ”にすれば良いという訳ではありませんが、こうなってしまうときまりの悪いものです。その意味では、AAの申請文面のところで掲載したリンクの通り、米国では発着枠の配分などについて申請内容やその後のやり取りが公開されており、こうした可視化が必要なのではないかと感じてしまいます。

 なお、今週は2位にジェイティービー(JTB)が海外の旅行会社を買収する記事も入りました。JTBはこれまでも積極的にM&Aや現地企業との合弁会社設立を進めているところで、今年2月にもシンガポールで旅行会社を買収しています。

 OTAを含む海外の旅行会社が日々どのように事業を展開していて、そうした流れの中でJTBなど日本の旅行会社の打つ手がどのような意味をもつのか、注視していく必要があるでしょう。

 海外でM&Aができるのは体力のある会社だけだから、と人ごとのように見ていたら、突然日本市場で影響が顕在化するようなこともあるかもしれません。トラベルビジョンでも、日本で取材をしていてもなかなか世界の潮目を感じることができないのは歯がゆいところですが、少しでも皆様のお役に立てるよう工夫をしていきたいと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年10月第2週:10月5日0時~10月10日18時)
第1位
アメリカン航空、羽田/LAXを申請、デルタ季節運休を批判(14/10/07)

第2位
JTB、海外旅行会社5社を買収、アジア・太平洋地域へのインバウンド強化(14/10/07)

第3位
ノックスクート、15年1Qに成田/ドンムアン線、スクートの日本戦略踏襲(14/10/05)

第4位
世界のベストレストラン、1位はスペイン、日本は築地の「寿司大」(14/10/08)

第5位
台湾、今年は双方向で旅客400万人超に、日本人旅客数がカギ(14/10/08)

第6位
東京オリンピックの真の効果、豪・英の事例から日本独自のめざすべき姿を探る(14/10/09)

第7位
フォトニュース:ロイヤルパーク・羽田が開業、トランジットホテルも(14/10/07)

第8位
クラツー、iPhoneアプリを提供、旅を記録しアルバム化(14/10/05)

第9位
AF/KL、日本市場へ投資継続、サービス改善も-スト影響を謝罪(14/10/09)

第10位
日本航空、今年も冬のアラスカチャーター便、5都市から計9本(14/10/06)