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台湾、今年は双方向で旅客400万人超に、日本人旅客数がカギ

  • 2014年10月8日

台北駐日経済文化代表処代表の沈斯淳氏 台北駐日経済文化代表処は10月7日、都内ホテルに政財界の関係者などを招き、中華民国の103回目の国慶節を祝う祝賀会を開催した。冒頭で挨拶した代表の沈斯淳氏は、近年の日台間の観光交流拡大について言及し、昨年には訪台・訪日の合計旅客数が370万人を超えたことを報告。今年は1月から8月までの累計で既に300万人を上回っていることから、「このペースで推移すれば400万人の大台を超える。人的往来において双方は密接な関係にある」と述べ、今後の更なる交流拡大に期待を示した。

 台湾観光協会の統計資料によれば、2014年1月から8月までの累計訪台日本人旅客数は、景気の回復基調や航空定期便の増便などにより前年比17.9%増の105万1175人に増加。訪日台湾人旅客数も円安などが追い風となり、27.6%増の201万2375人となっている。現在の成長率を維持した場合は合計で約460万人に達する見込みで、同協会内では「2016年の目標達成をめざしていた500万人を、2015年にも達成できるのでは」との声も聞かれるという。

台湾観光協会東京事務所所長の江明清氏 一方で台湾観光協会東京事務所所長の江明清氏は、円安傾向による訪台日本人の伸び悩みなどを勘案し、今年は「頑張って400万人」と控えめな予測を示す。内訳は訪台日本人150万人、訪日台湾人250万人との見通しだ。

 実際に、2013年の訪日台湾人が50.4%増の234万6007人と大幅増だったのに比べ、訪台日本人は前年比0.6%減の143万4346人で前年並みとなった。同協会によれば、訪台日本人が横這いとなった原因は「(2桁成長が続いた)この2年間が良すぎた」とのことだが、加えて全体の日本人出国者数が低下したこと、訪日台湾人の大幅増が日本人用の航空座席数を減少させたことが大きく響いたという。

 台湾観光協会では引き続き、チャイナエアライン(CI)やエバー航空(BR)などに更なる定期便の増便を働きかける考え。また、日本発便では午前便を日本人中心、夕方以降の便を台湾人中心にシフトさせるなど、時間帯による日本人・台湾人の棲み分け強化をはかる。そのほか、増加するLCCを活用し、高雄など地方のデスティネーションの訴求にも力を入れ、旅客数のバランスを取りたい考えだ。

「Touch The Japan」記者説明会での江氏。双方向交流の拡大に協力を求めた 江氏は翌8日に開催された、来年4月に台北で開催される訪日旅行関連イベント「Touch The Japan」の記者説明会でも、旅客数のバランスの問題について言及。日台間の観光交流の拡大について関係者に謝意を述べる一方で、「お互いの交流が重要であり、一方的な形は望ましくない」と強調した。あわせて、現在開催中の「台日同名駅観光プロモーション2014」などの取り組みも紹介しながら、双方向交流の拡大に協力を求めた。

 「Touch The Japan」は、2015年4月17日から20日までの4日間にわたり、台北市の花博公園で開催される台湾史上最大級の訪日旅行関連イベント。一般社団法人日本観光振興懇話会による実行委員会が主催し、日本観光振興協会、台湾観光協会、台北駐日経済文化代表処などが後援を予定するほか、エイチ・アイ・エス(HIS)や全日空(NH)などが協賛する。4日間の来場者数は8万人を見込む。