国内宿泊数、第2四半期は1.8%増の1.1億人泊、外国人が牽引
観光庁がこのほど取りまとめた2014年第2四半期(2014年4月1日~6月30日)の宿泊旅行統計調査(暫定値)で、延べ宿泊者数は前年比1.8%増の約1億1039万人泊となった。このうち日本人は9868万人泊で大半を占めたが前年からは0.9%減。これに対して外国人は32.1%増の約1171万人泊で、2013年第3四半期から4期連続で3割超の増加を記録して全体を牽引した。
都道府県別の伸び率を見ると、福岡県が16.0%増、滋賀県が14.6%増、大阪府が13.8%増、高知県が12.8%増、山口県が10.8%増と西日本の各府県が2桁の伸び。東日本では茨城県の9.0%増が最高で、山梨県の8.4%増、北海道の7.2%増などが続いた。
逆に大きく数値を落としたのも西日本に多く、奈良県が14.5%減、京都府が13.9%減となったほか、鳥取県が13.0%減、熊本県が10.2%減と苦戦。東日本では青森が12.4%減、富山県が10.9%減などとなった。
外国人のみでは、滋賀県が173.9%増、山形県が147.0%増、香川県が110.3%増と急増。東京都や大阪府、京都府などもともと規模の大きいエリアでも2桁増を記録するなど全体的に好調に推移した。ただし、栃木県、大分県、福井県、秋田県、奈良県では2桁減となっており、明暗が分かれている。
また、外国人述べ宿泊者数で規模の大きかった国・地域は、台湾の213万人泊、中国の172万人泊、米国の92万人泊など。4位は韓国で上位18ヶ国・地域の中で唯一前年を下回ったものの、依然として87万人泊と全体の8%を超えるシェアとなっている。
このほか、伸び率ではフィリピンが101.4%増と倍増。次いで中国が83.6%増、マレーシアが61.4%増、タイが45.3%増などとなり、アジア圏に勢いがあった。ただし、英国が27.3%増、オーストラリアが27.1%増、フランスが25.5%増となるなど欧米からの述べ宿泊者数も増加している。
なお、調査は全国のホテルや旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所など5万802施設のうち1万8474施設を対象に実施したもので回収率は60.7%。全国の平均客室稼働率は、旅館が32.4%、リゾートホテルが50.0%、ビジネスホテルが70.7%、シティホテルが76.2%、会社・団体の宿泊所が27.6%であった。
また、宿泊施設のタイプ別で最も稼働率が高かった都道府県は旅館が神奈川県の50.1%、リゾートホテルが千葉県の82.2%、ビジネスホテルが京都府の85.8%、シティホテルが大阪府の85.5%、会社・団体の宿泊所が鹿児島県の77.2%であった。