秋田県湯沢市の稲住温泉、任意整理へ、負債1億数千万円か
東京商工リサーチ(TSR)によると、秋田県湯沢市の秋の宮温泉郷にある稲住温泉がこのほど事後処理を近江法律事務所の近江直人弁護士に一任した。今後、任意整理を進める方針といい、負債額は調査中であるものの1億数千万円となる見込みだ。
稲住温泉は1896年創業で、秋の宮温泉郷の中でも老舗旅館として知られ、施設の増築も建築家の白井晟一氏が設計を担当するなど高い知名度を誇った。1976年には新館を建設して事業規模を拡大し、ピーク時には2億円以上の売上高を計上した。
しかし、秋の宮温泉郷全体の宿泊客減や建物の老朽化が進んだこともあって減収となり、赤字計上が慢性化。売上高は2010年9月期に約3970万円、震災後の2011年9月期は約3200万円まで落ち込み、2013年9月期は大雪による施設の破損もあって約1000万円まで減少。2014年3月にも大雪の影響で旅館の一部が倒壊。以降、休館していたが再開の目処が立たなかったという。