アクセスランキング、1位はジャッツ添乗員の原氏-ミャンマーも

[総評] 今週は、今年4月に観光関係功労者国土交通大臣表彰を受けられたジャッツ東京ツアーコンダクター旅程管理主任の原好正氏のインタビュー記事が1位になりました。41年間で750回以上、8000日超の添乗経験を踏まえたお話しは示唆に富んでおり、添乗員ならずとも得るところが多いのではないでしょうか。

 41年も前からというと、おそらく旅行業界の酸いも甘いも体験されてこられたでしょう。「甘い」といえば以前は土産物店のコミッションで家が建つといわれた時代もあったわけで、原氏がそうであったかは分かりませんが、それを知らない世代としてはやはり羨ましい限りです。

 一方では、文中で触れられている内戦のご経験や語学のご努力など「酸い」の部分も当然あり、詰まるところこれらすべてが旅行業界の歴史ではないかと思われます。

 ところで、こうした歴史を大きく転換してしまったのはインターネットですが、そのインターネット上で旅行業界誌を営み、旅行業界の健全な発展を願ってあれこれと情報を発信している我々自身にも皮肉なものを感じることがあります。

 当欄で度々ご紹介している「ニュー・ノーマル」という言葉がありますが、一度変化した物事は常識化し、元に戻ることはありません。インターネットだけでなく、例えばLCCもどういう形でかは分かりませんが定着していくでしょう。

 そもそも、ライト兄弟の初飛行ですら1903年で、航空による旅行が始まってからたったの110年程度です。そしてCRSが登場したのは1960年代、インターネットが普及し始めたのは1980年代ないし1990年代でしょうから、変化のスピードがいかに速いかが感じられます。

 旅行流通が今後どのようになっていくかは分かりませんが、インターネットなど情報流通技術の進化に牽引されていくことは間違いないでしょう。また、例えば10年ほど前は128MBのUSBフラッシュメモリが3000円ほどしたと記憶していますが、今ではその1000倍の容量、128GBで値段はせいぜい2倍となっており、こうして目減りする価値との相対的な比較からも逃げられないかもしれません。

 ただ、一方で原氏もおっしゃっているように、旅行業から人が不要になることはありません。旅行業関係者の中では悲観論が非常によく聞かれますが、10年後、あるいは数年後でも社会がどうなっているか想像できない中で、なぜ悲観から入ってしまうのでしょうか。

 武士は食わねど、ではありませんが、ニュー・ノーマルを先取りする、創り出すくらいの気概を、気概だけでも持っていたいものです。

 なお、今週は2位と3位にミャンマー関連の記事が入る珍しい週でもありました。ミャンマー好きとしてはそれだけでも嬉しいのですが、関空からの定期チャーターが開始されるとのことで、とても喜ばしく感じています。

 ミャンマーは、7年ほど前に出張で訪れたのですが、人々の心が暖かく、観光資源も抱負な素晴らしい国です。是非とも旅行業界の皆様のお力で需要を喚起して定期便化を果たし、より多くの方々が彼の地を訪れられるようにしていただければと願っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年8月第5週:8月24日0時~8月29日17時)
第1位
インタビュー:ジャッツ東京ツアーコンダクターセンター添乗員の原好正氏(14/08/28)

第2位
ミャンマー国際航空、関空/プノンペン・ヤンゴン間で定期チャーター、10月から(14/08/24)

第3位
日本旅行、ミャンマーで鉄道ツアー、譲渡先の日本車両に乗車(14/08/24)

第4位
日本航空とハワイアン、燃油サーチャージ値下げ(14/08/24)

第5位
主要50社、6月の海外旅行は2.4%増、31社がプラス成長(14/08/25)

第6位
東京の第1種、トリップデポが破産開始決定-負債約1億円(14/08/27)

第7位
フィリピン航空、冬に中部/セブ就航、羽田増・成田減便も(14/08/25)

第8位
国交省、首都圏空港機能強化で自治体と協議開始-16年度予算要求照準に(14/08/26)

第9位
日本人に人気の海外観光地、1位はサグラダ・ファミリア(14/08/26)

第10位
日本航空、MRJを32機購入、21年から順次導入へ(14/08/28)