楽天トラベル、2Q取扱高10.3%増-営利は実質15.8%増
楽天は8月4日、2014年12月期第2四半期(2014年4月1日~6月30日)決算を発表した。トラベル事業の予約流通総額(※)は前年比10.3%増の1585億円、売上収益は5.9%増の82億8400万円。営業利益は2012年の会計処理における誤りを反映させた結果、2.8%増の25億3400万円となった。累計の予約流通総額は12.2%増の3037億円、売上収益は7.5%増の168億2000万円、営業利益は7.4%増の58億3400万円。
同社によれば、2012年会計処理における誤りの発生以降、トラベル事業の会計プロセスを継続的に実施してきたものの、新たにクーポンなどの処理に関して3億円程度の計上の誤りが明らかになったとのこと。今回の決算における修正の影響を除いた場合、営業利益は28億5400万円で前年比15.8%増になるという。同社では今後も、第三者による監査や経理部門の人員増強などにより、トラベル部門の管理機能の強化に努める方針。
決算発表会見で同社代表取締役副社長の山田善久氏は、予約流通総額の推移について「もう少し伸ばさなくては」と述べたものの、一方では「市場と同程度かそれ以上の成長率はマークしており、基本的には順調」とも語った。月別では、4月は3月の駆け込み需要の反動で前年比増加率が1桁%に留まったものの、5月と6月については再び2桁増に転じている。
そのほかには記者団からの質問に答え、先日発表したエアアジア・ジャパンへの出資について言及。業績への影響については、「楽天の出資は17%から18%とマイノリティーで、持分法の対象にもならない予定。業績への大きな影響はない」と説明した。
▽下期から「インバウンド推進グループ」が始動-サイト刷新など推進
楽天は下半期以降、重点項目の1つとしてインバウンド事業を強化する。7月1日には従来の営業グループを改組・強化した「インバウンド推進グループ」が活動を開始。同月11日には楽天トラベルの英語サイトをリニューアルし、デザインや機能を刷新している。今後は新たなサイトのフォーマットを、既存の韓国語、中国語繁体字・簡体字サイトなどにも適用する予定。執行役員トラベル事業長の山本考伸氏は「リニューアルにより新たな開発が進めやすくなった。日々改善を進めたい」と意欲を示した。
※予約受付ベースのキャンセル前取扱高(税込)。国内・海外の宿泊施設や海外航空券、楽天バスサービス、国内・海外のダイナミックパッケージ、レンタカー、ペットホテルが対象