JATA田川会長、海外2000万人必達へ、国内・訪日も三位一体
日本旅行業協会(JATA)会長に6月18日付で就任した田川博己氏がこのほど本誌インタビューに応じ、在任中に必ず達成したい目標として海外出国者数2000万人を挙げた。
田川氏は就任以降、海外と国内、訪日の3分野を「三位一体」として同時並行で取り組んでいく考えを示しているが、国内と訪日は観光庁や日本政府観光局(JNTO)が主体として存在しているのに対して、海外はJATAが中心であり「我々の主たる仕事」であると説明。その上で、2000万人の達成は「今の数の旅行会社が生き残るためにも絶対に必要」と強調した。
達成に向けては、課題である航空座席の確保や若年層を含めた需要喚起に取り組む。座席については、チャーターの活用促進が最も取り組みやすいため、課題となる機材確保に向けて外航にも働きかけていきたい考え。なお、「観光局との付き合いはあるが、航空会社との政策的な打ち合わせをJATAとしてしたことはあまりない」ことから、チャーター以外でも関係強化をはかる。
また、需要喚起では、休暇取得の促進などのほか、例えば学生が期間の短いパスポートを安価に取得できるような制度など柔軟な発想で取り組む。需要が増加しても旅行会社の利益に結びつかないリスクもあるが、田川氏は「旅行会社の利益を(最初に)考えると市場の拡大は不可能。まずは増やすことが大事」と断言。市場が拡大すれば自ずと旅行会社のビジネスチャンスも増えるとの考えを示した。
一方、訪日旅行と国内旅行については、「インバウンドというのは国内旅行。国内旅行が中途半端な旅行会社がインバウンドをできるとは思わない」と言及。JATAとしての国内旅行への取り組みも「古い歴史があるわけではない」ものの、東日本大震災を経て、復興に向け旅行会社が役割を果たす流れが「やっと定着してきた」との分析で、今後はさらにこれを強化していく方針。
加えて、訪日旅行では昨年開始した「ツアーオペレーター品質認証制度」について、海外での認知を向上する取り組みを強化する。海外で現地旅行会社を集めての説明会開催なども視野に入れつつ、まずは田川氏を含むJATA三役から会員各社の代表者、そして現場スタッフに至るまでの全関係者が海外を訪れた際には現地旅行会社に制度を説明できるような意識付けと体制の構築を急ぐ。
※インタビューの詳細は後日掲載予定