英国、15年は「カントリーサイド」テーマ、eラーニングの刷新も
英国政府観光庁コマーシャル・トレード部長のヤコ・コエッツィ氏がこのほど来日し、今後の観光戦略などを説明した。同庁では2015年から16年にかけて、英国のカントリーサイドをメインテーマに設定。「カントリーサイド イズ グレイト」としてキャンペーンを展開していく方針だ。コエッツィ氏は「ロンドン以外の魅力を世界に伝えていきたい」と意気込みを語った。
コエッツィ氏は「都市も良いが、英国はそれだけではなく、美しいカントリーサイドがあるということに気づいて欲しい」と話し、例えばカントリーサイドとして湖水地方やコッツウォルズなどをアピールしていく考えを示した。英国各地の国立公園とパートナーシップを結ぶなどの取り組みを進めているという。
英国政府観光庁では2020年までに全世界から4000万人の訪問者数を目標としているところ。コエッツィ氏はそのためには旅行業界とのパートナーシップは重要としており、旅行業界向けのトレードショーや、英国からのミッション団の派遣、旅行会社向けトレーニングプログラムなどを引き続き活用していきたいと話した。
トレーニングプログラムについては、過去5年に渡りeラーニングプログラム「ブリット・エージェント」を展開しており、すでに全世界で8165人、日本で150人が修了。7月以降から数ヶ月間に渡って内容の見直しをおこない、来年の春頃から新しいプログラムを展開する計画だ。
また、同氏は日本について「英国政府観光庁がソースマーケットと位置づける22市場のうち、10位から15位に入る重要な市場」と明言。1人あたり7泊と滞在数も多く、過去5年の訪問者も平均23万人と安定していると評価した。2013年の日本からの訪問者数は前年比9%減の22万1000人。2020年までに30万人の誘客をめざすという。
このほか、コエッツィ氏は消費者向けのサービスとして、公式オンラインショップについても言及。オンラインショップでは30ヶ国以上の国に対応しており、交通パスや観光施設の入場券、現地発着のオプショナルツアーなどを販売中。2013年4月から14年3月までで1550万ポンドの売上があったという。同氏は「英国に来る前に自国の言語、通貨でチケットなどを購入でき、到着してすぐ使うことができる」とメリットを訴えた。