エティハド、来年以降に羽田線検討、当面は既存線に注力

  • 2014年6月11日

EYのボーイングB787-9型機
 エティハド航空(EY)日本支社長の稲場則夫氏は、6月10日にアブダビ観光・文化庁が都内で開催した商談会「Japan Roadshow 2014」で業界誌の取材に応え、羽田/アブダビ線就航の可能性について言及。当面は、デイリー運航中の成田線と中部線に注力する考えを示しつつも、新機材の納入が相次ぐ今年末から年明けに以降には、同社全体での機材繰りを見極めた上で、就航を検討する考えを示した。

 稲場氏によれば、同社はエアバスA380型機10機、ボーイングB787型機41機などを発注し、機材の拡充に努めているところ。しかし急成長するインド方面などに機材を集中的に投入する必要があるため、機材数は不足傾向にあるという。その上で、羽田線については「来年以降の計画が具体的になれば、その中にオプションとして入ってくる」状況だと説明した。

 EYは現在、羽田においてデイリー運航可能なスロットを有しており「飛ばそうと思えば飛ばせる」状況にある。しかし「いただける時間帯がどうなるかわからず、あまり無理をするのも問題がある」との見方から、しばらくは既存の成田、中部/アブダビ線に注力する方針だ。なお、6月18日からはカタール航空(QR)が羽田/ドーハ線の深夜便をデイリーで開始するが、稲場氏は「夜中の時間帯はどこも苦労している」との見解を示した。

 成田線と中部線の状況については、いずれもロードファクターが80%を超えていると説明。搭乗客の半分はヨーロッパなどへの以遠目的で、現在はイスタンブール線への乗継需要が拡大しているほか、ペトラ遺跡観光などを目的としたアンマンへの乗継需要なども安定しているという。

EYなどによるプレゼンテーション終了後は、各ブースで個別に商談がおこなわれた 中部線については自動車産業などのビジネス需要のほか、在日ブラジル人の帰省需要が大きいことを強調した。「多い時期で5割、トータルでも3割程度」を占めており、アブダビでは2時間程度でサンパウロ線への乗り継ぎをおこなえることから、好評を博しているという。

 なお、「Japan Roadshow 2014」では、駐日アラブ首長国連邦大使のサイード・アリ・アルノワイス氏が挨拶をおこなったほか、アブダビ観光・文化庁プロモーショナル・エグゼクティブのモハメド・ヘラル・アル・カービ氏がプレゼンテーションでアブダビの観光資源をアピール。EY旅客営業部営業課長の野黒泰正氏と鳥居晋也氏も、同社の機内サービスなどを紹介した。

※訂正案内(2015年3月4日10時45分 編集部)
稲場則夫氏のお名前を誤って表記しておりました。
お詫びするとともに訂正致します。