関空、13年度は増収増益、営利は17%増-発着回数は過去最高
新関西国際空港(新関空会社)はこのほど2014年3月期(2013年4月1日~2014年3月31日)の連結業績を発表した。関空の経営成績は、営業収益が前年比(※)8%増の999億1600万円と増加した。外国人旅客数が過去最多を記録したこともあり、旅客サービス施設使用料や免税店、物販店の売上などの直営事業収入が増収となったことが増加の一因だという。
営業費用は直営事業の収入増による売上原価の増加や、第2ターミナル運営経費や固定資産税の増加などで、6%増の747億4700万円。営業利益は、プロペラ機向け発着枠の一部を低騒音機の発着枠に変更したことによる増便などから増加し、17%増の251億6900万円となった。
13年度の航空機発着回数は4%増の13万3000回で過去最高を記録した。1日の乗り入れ便数は4%増の182.6便。このうち、国際線はアジア路線を中心とした増便で2%増の118.4便となり、過去最高となった。国内線もLCCによる新規就航で7%増の64.2便と増加した。
航空旅客数は8%増の1812万1000人。国際線は外国人旅客数が過去最多となり、5%増の1204万7000人に。国内線もLCC効果で13%増の607万4000人と増加した。
また、大阪国際空港(伊丹)の経営成績(※※)は、営業収益が139億8700万円、営業費用が76億9200万円、営業利益が62億9400万円だった。発着回数はプロペラ機枠の一部を低騒音機枠に変更したことに伴う増便で9%増の13万9000回、乗り入れ便数は9%増の190.6便、旅客数は7%増の1410万1000人となった。
新関空会社の連結業績では、営業収益は1268億2700万円、営業費用は942億1300万円、営業利益は326億1400万円、経常利益は218億7700万円、当期純利益は239億3400万円となった。新関空会社によると、2013年10月から大阪国際空港ターミナル(OAT)の株式を取得したことで大幅な増収増益になったという。
▽14年度は増収減益見込み、航空発着回数は28.6万回に
2014年度の連結業績見通しでは、営業収益は15%増の1459億円、営業利益は8%増の353億円、経常利益は17%減の182億円、当期純利益は62%減の91億円を見込む。経常利益と当期純利益の減少は、13年度にOATの株式取得で特別利益が106億4300万円発生したことの反動によるもの。
見通しのうち、関空は営業収益が6.1%増の1061億円、営業利益が4.5%増の263億円。伊丹は営業収益が0.8%増の141億円、営業利益は1.5%減の62億円となる予想だ。
航空機発着回数は、関空の14年夏ダイヤが過去最高の発着回数を記録したことを踏まえ、5%増の28万6000回を予想。関空は10.5%増の14万7000回、伊丹は前年並みとなる見込みだ。航空旅客数は5%増の3386万人で、このうち関空は9.4%増の1983万人、伊丹は0.5%減の1403万人とした。
※新関空会社の発足は12年4月だが、関空、伊丹の経営統合は7月だったため、同社では12年7月から9月の新関空会社の業績から大阪国際空港(伊丹)分を除外したものに、旧関西国際空港会社(旧関空会社)の12年4月から6月分の業績を加えた数値を前年比としている
※※伊丹の経営成績と新関空会社の連結業績については、伊丹が2012年4月から6月までの間は国管理空港だったため業績が明らかでないため、前年同期比の数字はない