インドネシア、バリ以外のアピール継続、14年は53万人めざす
インドネシア共和国観光クリエイティブ省は、インドネシアの観光地の多様化をはかる方針だ。このほど来日した、同省インターナショナル・ツーリズム・プロモーション部長のニア・ニスカーヤ氏は「インドネシアへの日本人観光客は、バリ島への訪問が多くを占めている」点を課題として指摘。「他のデスティネーションも魅力的な文化や美しい自然が広がっている」とし、2012年から実施中の16のデスティネーションと、7つのSIT向けテーマの積極的なアピールを継続する考えだ。
同氏によると、2013年のインドネシアの日本人訪問者数は5.3%増の47万9305人と増加。2014年1月から3月の日本人訪問者数はバリのダイビング事故などの影響もあり3.7%減の11万401人となったが、プロモーションを強化することで「減少傾向を上向きに変えていけると信じている」という。2014年の日本人訪問者の目標は「最低でも53万人以上」とした。
2013年は実施中のプロモーションの効果もあり、ダイビングスポットとして有名なブナケン(北スラウェシ)やラジャ・アンパット(西パプア)などへの日本人訪問者が増加した。今年も引き続き、経済特区にも指定された16のデスティネーションを、旅行先の選択肢としてアピールするとともに、7つ設定したSITのテーマのうち、ダイビングやゴルフなどの「レクリエーション・スポーツ」と「健康と美容」に注力。特に、レクリエーション・スポーツではシニア世代、美容と健康では若い世代の取り込みをはかるねらいだ。
また、16のデスティネーションに対しては空港の整備などを実施。昨年ガルーダ・インドネシア航空(GA)が国内線を拡張したことによりアクセスも向上したとし、旅行会社に対して今までフライトがなかったため紹介しきれなかったデスティネーションへの商品造成を訴えていく。また、旅行会社、メディア向けに同地域へのFAMツアーも開催する計画だ。
このほか、ニスカーヤ氏はビザについても言及。外務省は2013年7月からインドネシアの訪日ビザ要件を緩和し、数次ビザの滞在期間を最長30日間に延長したところ。ニスカーヤ氏によると更なる緩和について両国で検討している最中であるといい、「インドネシアからの訪日ビザの緩和に合わせ、今が日本人訪問者のビザ免除を検討するチャンス」であると意気込みを示した。現在廃止に向けて担当省庁と交渉中だという。
▽インドネシア共和国観光クリエイティブ省が注力する16デスティネーションとSITの7テーマ
・デスティネーション
トバ湖/北スマトラ
プロウ・スリブ(千の島)/ジャカルタ
オールド・タウンとスンダ・クラパ港/ジャカルタ
ボロブドゥール寺院/中部ジャワ
キンタマーニ高原~バツール湖/バリ島
ムンジャンガン~ペムテラン/バリ島
リンジャニ山/西ヌサ・トゥンガラ
エンデ~クリムト湖/東ヌサ・トゥンガラ
タンジュン・プティン/中央カリマンタン
ブナケン/北スラウェシ
ラジャ・アンパット/西パプア
ブロモ~トゥンガー~スメル/東ジャワ
コモド島/東ヌサ・トゥンガラ
ワカトビ/東南スラウェシ
トラジャ/南スラウェシ
クタ~サヌール~ヌサ・ドゥア/バリ島
・SIT
文化と世界遺産
自然とエコツーリズム
レクリエーション・スポーツ(ダイビング、サーフィン、セーリング、トレッキング、ハイキング、ゴルフ)
クルーズ
食文化とショッピング
健康と美容
MICE