ドイツでGTM2014開幕-13年日本人宿泊数は微減、14年は路線増に期待も

  • 2014年5月12日

GTM2014のブレーメン観光局のブース (ブレーメン発:特派 山田友樹)今年40回目を迎えるジャーマン・トラベル・マート(GTM2014)が5月11日にドイツ北部の都市ブレーメンで開幕した。ドイツ国内からサプライヤーとして約340団体が出展。世界34ヶ国から約600名のバイヤーやジャーナリストが集まった。日本からは現地法人も含め30名が参加。バイヤー向け商品セミナーでプロダクトの説明を受けたほか、ワークショップで商談を実施した。

 GTMで開催されたプレスカンファレンスでは、ドイツ観光局(GNTB)が2013年の市場分析を発表した。2013年の外国人宿泊数は4年連続で前年比4.5%増の7190万泊となり、初めて7000万泊の大台を超えた。そのうち、アラブ諸国を含むアジア地域からの旅行者は前年比9.3%増となり、マーケットシェアも11%を占めるまでに成長した。日本市場は1.3%減の130万泊と微減にとどまったものの、市場規模では20.2%増の150万泊と大きく伸びたアラブ諸国に追い抜かれる結果となった。

 また、GNTBは2020年の市場予測も説明。それによると、中国が220万泊、アラブ諸国が200万泊に拡大する一方で、日本は140万泊と微増。観光新興国の一つと位置づけるインドは150万泊との予想で、日本を上回る見込みだ。

GNTBアジア・オーストラリア地区統括局長のペーター・ブルーメンシュテンゲル氏 GNTBアジア・オーストラリア地区統括局長のペーター・ブルーメンシュテンゲル氏は日本市場について、「リーマンショック以降、多少の増減はあるものの安定している」と分析した上で、「アジアでは新興国が台頭しているが、ドイツと日本の関係は長く深い。ドイツのロングホール市場にとって日本は重要な市場であるのに変わりはない」と話し、成熟市場である日本に期待を寄せた。

また、日本とドイツの航空ネットーク拡大についても触れ、「特に羽田からの路線は、地方需要の取り込みにとって重要。ルフトハンザ航空(LH)グループと全日空(NH)との共同事業は市場拡大にとって大きなこと」との認識を示した。今年の夏ダイヤでは、NHが羽田/ミュンヘン線のデイリー運航を開始したほか、成田/デュッセルドルフ線にも就航。LHは、羽田/フランクフルト線、ミュンヘン線を新規開設している。

このほか、ブルーメンシュテンゲル氏は商品造成の問題点についても言及。「ロマンチック街道以外に目を向ける違ったアプローチが必要だろう」と指摘し、新たなデスティネーション開発の必要性を説いた。また、ドイツは最新テクノロジー国であることから、研修・教育旅行やMICEなどでも訴求力は高いと話すとともに、地方や若い世代の需要喚起の重要性も強調した。