JTB次期社長、2020年へ「果敢に挑戦」、海外需要増へ工夫も
▽旅行事業、「ツーウェイ」から「マルチウェイ」に、海外拠点拡充へ
旅行事業のうち、グローバル市場では「日本発・日本着のツーウェイの事業展開から、世界発・世界着のマルチウェイの展開」にシフト。特にアジアに注力するが、「グローバルマーケットの取り組みは緒についたばかり」との認識のもと、まずは現地の拠点ネットワークの拡充による取扱量の拡大をめざす。
海外営業拠点の展開は、「単独の資本で打って出ることもある」ものの、「それよりも現地企業との業務提携や資本提携、場合によってはM&Aを、市場の特性などに合わせて柔軟に」組み合わせておこなう考えだ。
また、世界で戦える人材の育成も進める。2016年までに200名の社員を在外拠点に派遣する計画だが、さらに2020年までにグローバルの担当要員を、4700名から8200名程度に増加。こうした取り組みにより、2020年にはグローバル事業の営業利益を現在の約3倍となる約100億円に拡大する。
国内市場についての長期的な見通しでは、国内旅行は人口減による縮小傾向は避けられないとしつつ、「外国人による国内旅行」が必ず増えると分析。これにより、「そう大きな減少はないはず」と予測した。
一方、海外旅行は「日本人の出国率はまだまだ低い。この率が高まれば伸びる可能性はある」ものの、若年層の海外旅行離れが懸念されると指摘。その上で、関西での取り組みとして「なんとか若者を海外に向けようということで、各国の政府観光局、関西国際空港などと協力して若者にパスポートをプレゼントするようなキャンペーンも始めている」ことを紹介し、旅行業界としての工夫も必要との考えを示した。