ブータン、14年は1万人めざす-若者層取り込みへ、アクセス向上も
このほど来日したブータン政府観光局(TCB)局長のチミー・ペム氏は業界誌の取材に応え、2014年の日本人観光客数で1万人をめざしたい考えを示した。
TCBでは2013年1月に東京に日本事務所を開設し、日本人観光客数の増加に向けた取り組みを強めているところ。13年の日本人観光客数は前年比42.4%減の4015人だった。ペム氏によると、12年は前年にブータン国王夫妻が来日したことなどで11年比76.7%増の6967人となり、過去最高を記録。13年は大きく減少したように見えるが、11年比では1.8%増と増えており、今後も引き続き伸びるとの見込みだ。
ブータン政府観光局によると、日本人観光客は滞在時間が短く、ブータンの首都のティンプーやパロ、プナカなど西部を5日間程度で訪問する旅行がメイン。4月と8月が最も多く、ついで10月、3月と続く。傾向としては、3月または4月にパロ、9月または10月にティンプーで開催される宗教祭「ツェチュ」をテーマにした旅行が多いという。
ペム氏は「規模は小さいが、ツェチュは各地方で別の時期にも開催されている」とし、他地域での祭りもアピールしていく考えを示した。また、ブムタンで8月に開催される松茸フェスティバルも、日本人向けのイベントと位置づけ訴えていく。
ターゲットは引き続き、現在の主力層である40代以上で、ブータン独自の文化などを訴求していく。さらに、トレッキングプログラムやバードウォッチング、サイクリングなどのアクティビティをアピールすることで、若者層の取り込みもはかる。
ブータンへの旅行は現地または日本の旅行会社経由で申し込む必要があることから、ペム氏は旅行会社の重要性を認識しているとし、旅行会社向けサービスを説明。プロモーション費用の一部を負担するプログラムを用意しており、ターゲットを設定し、達成を条件にプロモーション費用の25%をブータン政府観光局が、残りの25%をブータン現地のツアーオペレーターが負担するという。
このほか、旅行会社向けのファムツアーや、ツーリズムEXPOへの参加、東京、大阪、名古屋での旅行会社向けセミナーの実施などを予定しているとした。ツアー造成用に日本語を話すガイドの教育に力を入れるなど、受入環境も整えているという。
さらに、日本発ルートの改善もはかる。TCBによると、日本からブータンへの主なルートはバンコク経由で、バンコク/パロ間をドゥルクエアー(KB)とブータン・エアライン(B3)が運航。直行便は現在就航していない。このため、ペム氏は直行便の就航をKBに提案しているといい、まずは今年中のチャーター便就航をめざしたいとした。
また、バンコク経由の利便性向上もめざす。以前はブータンに旅行するためにはバンコクで1泊する必要があったが、現在はタイ国際航空(TG)の羽田/バンコク便を活用すれば、1時間の待ち時間で乗り継ぎが可能。ペム氏は「日本航空(JL)でも同様な乗り継ぎができるよう、交渉をしている」と明かした。