アクセスランキング、1位はハワイの運航停止、2位はJTBと春秋
[総評] 今週の1位は、ハワイの島内路線を運航する航空会社「go!エアライン」が4月1日で運航を停止するという記事でした。どこかのウェブサイトなどでご紹介いただいたのか分かりませんが、運航規模の小さなオフラインの航空会社であるにもかかわらずかなり多くのアクセスが集まりました。ランキング1位の記事の平均アクセス数を100とすれば140程度の水準です。
ハワイ関連では最近、ハワイアン航空(HA)による福岡線の運休決定や新ブランドでの島内路線の運航開始、ハワイ州観光局(HTJ)の「ウルトラハワイ」など、当欄でランクインする話題が続いているところです。大きなニュースが続くことが偶然かは分かりませんが、記事のアクセス数が伸びるということは、ハワイが日本の海外旅行業界にとって一大市場であることの証左でしょう。
さて、今週は旅行会社関連の記事もランキングに多く入っており、まず2位はジェイティービー(JTB)による春秋航空日本への出資で、先週1位となったシンガポールの旅行会社買収に続いて大変驚かされました。
春秋航空グループは2010年に日本に就航してからしばらく経ちますが、どうしても中国の会社というイメージが付きまとい、それがプロダクトやサービスの品質への印象も左右していたと思います。しかし今回、日本の最大手旅行会社であるJTBが出資したことは、こうしたネガティブイメージの払拭にもつながっていくのではないかと期待されます。
次に4位には、JATA経営フォーラムの分科会「今後50年の海外旅行における旅行業ビジネスを考える」をテーマに交わされた議論が入りました。夕刊で配信する長文の記事で内容も堅いものは通常あまり数が伸びない傾向にあるのですが、逆に編集部としては読んでいただきたい記事ですので、大変嬉しく感じているところです。
詳細は記事に譲りますけれども、IT技術の進歩、モバイル化の更なる進展など環境変化の中で、旅行会社がいかにして儲けていくかという議論がなされており、「知識は力」「サプライヤーにも価値提供を」など、貴重なキーワードを得られるのではないかと思います。
このほか、5位の日本添乗サービス協会(TCSA)も旅行業界の構造的な課題が改善される可能性を感じる記事です。派遣添乗員に限らず、どのような職業でも「楽しい」だけでは生きていけません。また、労務管理がずさんで労働者が泣きを見る図式が常態化しているとすれば、優秀な人材が確保できようはずもありません。
価値創造、商品・サービス改革など対消費者の視線で旅行業のビジネスを変革していこうという流れはかなり大きくなってきているように感じますが、やはり最も大切なのは「人」です。
改革のためにどこかにしわ寄せがいく、他社に勝つために誰かが不当な扱いを我慢させられるといった事態に注意をし、精神的にも物質的にも楽しく明るく働ける旅行業界をめざしていきたいものです。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年3月第4週:3月22日0時~3月28日18時)
第1位
◆ハワイのgo!エアラインが運航停止、4月1日から(14/03/25)
第2位
◆JTB、春秋航空日本に出資、春秋グループと連携強化(14/03/25)
◆春秋航空日本、成田/高松、広島、佐賀線就航-6月27日から(14/03/25)
第3位
◆日本航空、14年度は「準備の年」、座席やサービスさらに強化(14/03/26)
第4位
◆今後50年の旅行の姿、生き残りのキーワード-JATA経営フォーラム(14/03/25)
第5位
◆TCSA、「みなし労働」適用外で添乗時間の管理訴え-訪日人材育成も(14/03/24)
第6位
◆新局面を迎えたホールセール商品、高付加価値化の中に見えた各社の方針(14/03/27)
第7位
◆キャセイ、エコノミーで0泊2日の「ウルトラ弾丸」運賃-往復1.9万円(14/03/24)
第8位
◆GWは台湾が人気1位、JATA会員調査-長距離、高単価商品も(14/03/26)
第9位
◆全日空、過去最大の機材発注、国際線強化で1.7兆円分(14/03/27)
第10位
◆JATAと韓国、300万人へ企画実務者の視察旅行、菊間会長「従来型商品変える時機」(14/03/23)