羽田、国際線ターミナルの拡張部分公開-延べ面積1.5倍に
東京国際空港ターミナル(TIAT)は3月12日、羽田国際線旅客ターミナルの拡張工事部分の内覧会を開催した。ターミナルの拡張は、3月30日から国際線発着枠のうち昼間時間帯が年間3万回増の6万回に増え、深夜早朝時間帯を含めると計9万回になることに伴うもの。3月30日に一部例外を除く拡張部分の施設の供用を開始し、9月末をめどにホテルや商業施設も営業を始める予定だ。
TIAT常務取締役の田口繁敬氏は「首都圏の空の玄関口の一つとしてふさわしい、本格的な24時間旅客ターミナルの建設と、着実な運営が当社に課せられた最大な使命」とし、これまで運用と新施設の建設を平行して着実に進めてきたと振り返った。
施設拡張により、旅客数は年間1250万人と増加する見込み。ただし、田口氏は、日米間の航空当局間協議が開催されておらず米国線が未就航であることや、日中間の国交問題などで中国線が14年夏ダイヤ時点で12枠未就航のままであることから「中国、米国線が不明なため、先はまだ見えない」考えを示した。
ターミナルの拡張により、延床面積は約1.5倍の約23万6000平方メートルに増加。固定スポットは8スポット増の18スポットで、8スポットはサテライトに位置。増加したスポットのうち6スポットの搭乗口を出発階の3階ではなく2階エリアに配置することで十分なスペースを確保した。サテライトは両面ガラス張りで開放感を演出。航空機の到着や、本館側に駐機している航空機をガラス越しに見ることができる。
本館3階のチェックインカウンター部分は、2つ増やして6アイランドとし、窓口数は144ヶ所に増加。出発保安検査場も2ヶ所に増え、バスゲートも9ゲート、到着ターンテーブルも7基に増やした。さらに、拡張部分の4階と5階にターミナル会社が運営するラウンジを2ヶ所設置。3階出発ロビーには祈祷室を新設する。際内、内際、際際乗継施設の拡充もおこなうという。
このほか、到着ロビーや出発ロビー、保安区域に商業テナントを新たにオープン。出国審査後の免税エリアには各種免税店や外貨両替所、24時間営業のフードコートが開業。出国審査前の一般エリアにはカフェや携帯レンタル店、銀行ATMなどがオープンする。また、サテライトへの移動通路には36面のマルチディスプレイを設置し、就航地の世界遺産などをアピール。駐車場を2階増やして9階建てで約3000台に対応できるようにする。