アクセスランキング、1位はGA羽田線、約款の存続方針も
[総評] 今週は、ガルーダ・インドネシア航空(GA)による羽田線の運航計画が1位になりました。3月末に始まる夏ダイヤを前にして、羽田の国際線ネットワークに対する注目もますます高まっていきそうですが、それにしても各社とも路線便数の拡充に極めて積極的で、本当にここまで座席を急増して健全かつ持続的に運航していけるのかと思ってしまうこともあります。
GAも成田、関空の路線を維持しつつ羽田を2本にするということで、日本発の需要にかかる期待は大きいでしょう。少し調べてみたところ、2012年のインドネシアへの日本人訪問者数は44万5000人。昨今は東南アジア地域への旅行需要が好調という調査結果や統計をよく見ますし、今後も伸びていく可能性は十分あるでしょう。
ただ、例えば先週の当欄で1位になったセブ・パシフィック航空(5J)は羽田にこそ就航しないものの、増便や新路線開設により座席数を従来の5倍とする計画です。当然、座席を増やすのはGAと5Jだけではなく、今週掲載した記事でも中国国際航空(CA)による関空/天津線と東京の機材大型化(リンク)や、チャイナエアライン(CI)の成田/高雄線増便(リンク)などがありました。
改めていうまでもなく、各路線で座席が増えればデスティネーション間の競争も激化します。市場全体がいきなり座席の伸びと同じだけ拡大することはないでしょうからパイを奪い合うケースも多くなるはずで、おそらく座席供給量の増えないデスティネーションも無関係というわけにはいかないでしょう。
また、座席を増やす航空会社があれば減らす会社もあり、6位の記事ではアメリカン航空(AA)がシカゴ線を週5便に減便することを決めています。AAはニューヨーク線も自社運航は取りやめているところで、一方では6月にダラスから上海と香港への就航を計画するなど、アジア路線を再編しているような印象を受けます。新路線はJLとの共同事業の対象になるようですし、USエアウェイズ(US)との経営統合の関わりを含めて今後の戦略に注目が集まります。
このほか、今週は第6回旅行産業研究会も開催され、記事が5位に入りました。詳細は記事に譲りますが、標準旅行業約款を制度としては存続すべきとの意見で一致したことは、今後の方向性を占う上で重要なポイントになるでしょう。
同研究会は3月までにあと2回開催される予定です。結論を出す場ではないという位置付けですが、旅行業界の未来を大きく左右する議論がなされていることは間違いありません。主にレジャー分野が焦点にはなっていますが、業法や約款は旅行会社で働くすべての人に関係のあるものです。より良い制度となるように是非、幅広い方にお読みいただきたいと願っています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年2月第1週:2月2日0時~2月7日18時)
第1位
◆ガルーダ、羽田昼便を決定-ジャカルタとデンパサールの2本に(14/02/02)
◆阪急交通社、社長交代、松田常務が就任へ-生井氏は会長に(14/02/03)
◆阪急交通社、組織を一部改正、役員と部長級人事も(14/02/03)
◆阪急阪神ビジネストラベル、難波江氏が社長内定-小川氏は退任、相談役に(14/02/03)
◆阪急阪神ビジネストラベル、役員人事を内定(14/02/03)
◆阪急阪神HD、旅行事業は減収減益、海外の減少響く-国内需要は好調(14/02/05)
第2位
◆日本航空、サーチャージ値上げ-燃油価格は横ばい、円安理由(14/02/05)
第3位
◆ゴールドコースト、インセンティブで選ばれる理由(14/02/04)
第4位
◆欧州線ワンワールド3社、共同運賃の販売開始、燃油別5万円から(14/02/04)
第5位
◆標準約款は継続、取消料規定や旅程保証の見直しを (14/02/06)
第6位
◆アメリカン航空、成田/シカゴ線減便へ、週5便に(14/02/06)
第7位
◆卒業旅行、20代は74%が経験・予定あり-人気1位はイタリア、北海道(14/02/06)
第8位
◆JTB、専属アーティストが始動、音楽と地域交流を融合(14/02/02)
第9位
◆BA、特別運賃設定、英国政観と共同で(14/02/03)
第10位
◆KNT、上期ホリデイは提案型の商品強化、8%増11.5万人めざす(14/02/04)