アクセスランキング、1位はセブパシフィックの戦略、訪日関連も
[総評] 今週は、セブパシフィック航空(5J)による日本線の路線展開や座席販売の戦略をお伝えした記事が1位になりました。記事でも触れていますが、フィリピンについては国際民間航空機関(ICAO)が昨年「重要な安全性の懸念(SSC)」を解除したことなどにより、日本路線もフィリピン航空(PR)と5Jが拡充を計画し、さらに全日空(NH)も羽田線を開設する予定で、座席供給量の大幅な増加が見込まれます。
5Jでは、昨年12月19日の関空線デイリー化と夏ダイヤの成田、中部線開設で、従来よりも座席数が5倍になるといいます。かなり野心的な数字に見えますが、「いくら魅力のあるデスティネーションでも…」などと考えるか、「大規模な座席の増加は市場の爆発的な拡大のチャンス」と捉えるかで行動も結果も変わるでしょう。
フィリピンの観光当局もこの機会を捉えて積極的なキャンペーン展開をし、2014年に通年で50万人の訪問者をめざす考えです。5Jのイベントでも、フィリピン観光推進局COOのドミンゴ・ラモンC.エネリオ3世氏が旅行会社との関係強化に意欲を示されていますが、消費者、旅行会社、航空会社、現地のすべてが満足を得られるような、持続的な成長が期待されます。
また、路線存続には訪日旅行の観点も重要でしょう。訪日旅行者獲得のためにはフィリピンならばフィリピン、他国ならば他国のそれぞれの市場に合った日本の魅力を把握し、アピールしていく必要があります。
その意味では、5位の記事の通り「オールジャパン」での取り組みに向けた盛り上がりが見られる中で、観光産業の内側からの視点だけでなく、外食、アパレル、小売など様々な産業で蓄積されている海外市場の知見を活用できるようにすべきでしょう。
なお、市場に合わせた展開の必要性は、ちょうど今週掲載したオーストラリア政府観光局(TA)日本・韓国地区局長のアンドリュー・ライリー氏のインタビュー(リンク)でも言及されているところです。長く日本やアジアからオーストラリアへの誘客に携わったライリー氏のお話しは、他のデスティネーション、そしてインバウンドの分野でもヒントになるはずです。
個人的に印象に残ったのは、オーストラリアの食事やワインを、オーストラリアのイメージを「立体的」にするために活用したいというお考えです。大自然、人、動物といった「いわゆるオーストラリア」の訴求ポイントと単純に並列するのではなく、奥行きを持たせるために活用しようとするものと理解しました。
観光プロモーションに限らず、自己ピーアールなどの面でも、ついつい「あれもある、これもある」と平面的に寄せ集めてしまいがちですが、最大の売りになるもの、そこまでではないけれども使い方や見せ方次第で価値を認めてもらえるもの、場合によっては表に出すことを控えるものなど、状況に応じて奥行きまで考慮して判断しなければと考えさせられました。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年1月第5週:1月26日0時~1月31日21時)
第1位
◆セブパシフィック、マニラ以遠の需要取り込みへ-成田、潜在需要に期待(14/01/26)
◆フィリピン、14年の日本人訪問者数50万人目標に-座席数増に期待(14/01/27)
第2位
◆世界のベストホテル7部門、日本も125軒-トリップアドバイザー(14/01/26)
第3位
◆マレーシア航空、ロサンゼルス線運休へ、5月2日から(14/01/28)
第4位
◆アジア太平洋の人気渡航先、日本が1位に-旅行回数は年4.7回(14/01/30)
第5位
◆観光立国推進協議会開催、オールジャパンの国民運動で観光促進へ(14/01/27)
第6位
◆HIS、高木常務がハウステンボス専務に-山野邉氏はHIS執行役員(14/01/29)
第7位
◆日本旅行、14年上期は4%増の15.2万人めざす-クルーズ強化も(14/01/29)
第8位
◆日本航空、ファーストクラスの寝具刷新、エアウィーヴ導入(14/01/28)
第9位
◆那覇LCCターミナル、2月10日に国際化-16年度末の年間利用者数200万人へ(14/01/26)
第10位
◆アリタリア、ベネツィア就航キャンペーン、特別運賃など用意(14/01/27)