アクセスランキング、1位はバンコク非常事態宣言、2位はJAL羽田
[総評] 今週は、バンコクの非常事態宣言とそれに対する旅行会社などの対応に関する記事が1位になりました。昨年12月3日に記事(リンク)を掲載した段階ではほとんど影響のない状況でしたが、事態が長期化しさらに非常事態宣言まで出されるに至り、需要にも変化が生じてきてしまっているようです。
タイの政治的な混乱は根が深いようで何度も発生してきており、その度に旅行需要もダメージを受けてきました。タイに限った話ではありませんが、こういった類のネガティブな話題について取材をし記事として発信するのは大変口惜しいもので、事態が繰り返される度に、率直な感想として「もういい加減に…」と思ってしまいます。
一方で、タイについては需要の回復力、強さにも驚かされます。何度も繰り返されている故の「慣れ」というか、旅行者側の経験値も上がっているようで、例え非常事態宣言を懸念して旅行を控える動きが顕在化したとしても、状況が元通りに落ち着けば必ず需要も回復するという期待が持てます。
混乱がないことが一番なのは間違いありませんが、完全に忘れ去られてから再発するよりはむしろ経験として蓄積可能な頻度で起きた方が、旅行者への教育効果に繋がるというか、強靭な市場ができあがる可能性も感じてしまいます。もちろん、タイのレベルで人気のあるデスティネーションであり、なおかつ混乱自体も一定の規模に留まることが前提にはなりますが。
また、今週の2位には日本航空(JL)による2014年度の国際線路線便数計画の記事が入っています。JLは、羽田空港の発着枠の傾斜配分について、国土交通省航空局に是正と決定プロセスの説明を要求しましたが叶わず、ひとまずは与えられた枠を活用した計画を立てたことになります。
羽田発着の路線ではシンガポール線とバンコク線を増便、ロンドン、パリには自社運航便を設定、成田では路線によって増減便、といった内容で、先に発表された全日空(NH)の計画への類似性を指摘する声もあります。ただ、目新しいのはホーチミン線の開設で、深夜早朝時間帯での就航ながら他社のハノイ線との差別化は可能と判断した模様です。
加えて、発表の中で、2015年度以降の路線拡充方針として関空、中部発着の中長距離国際線に言及していることも目を引きました。「安定した需要を見込める」路線であることを条件としていますが、急拡大する羽田路線は「内際ハブ」としての位置付けがあればこそ座席を埋める算段も立つはずで、他社との競合もある中で、どのように需要予測と営業戦略の立案をおこなうのか興味深く感じています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年1月第4週:1月19日0時~1月24日18時)
第1位
◆バンコクに非常事態宣言、JTBが取消料免除、一部で予約取消も(14/01/23)
第2位
◆JAL、羽田/ホーチミン、ロンドン就航へ-14年度計画、増便も(14/01/22)
◆日本航空、14年度は国内線で6路線復活、「地元と育てる」(14/01/23)
第3位
◆2020年の訪日2000万人でアクション・プログラム改定、6月めどに(14/01/19)
第4位
◆旅行産業に「イノベーション」を-JTB田川社長、20年へ投資継続(14/01/23)
第5位
◆キャセイ、日本路線が復調、レジャー増加-関空増便で特別運賃も(14/01/21)
第6位
◆ジャルパック、上期商品は大胆に「衣替え」-ブランド50周年で商品力強化(14/01/20)
第7位
◆全日空、羽田国際線キャンペーン、オープン懸賞と特別運賃(14/01/19)
第8位
◆タイ国際航空、羽田/バンコク線増便でダブルデイリー化(14/01/22)
第9位
◆フィリピン航空、羽田/マニラ線開設-ダブルデイリーで(14/01/22)
第10位
◆ガルーダ、スカイチーム加盟は3月5日、東南アジア2社目(14/01/19)