関空、LCCターミナル新設-16年度に供用開始、年間旅客800万人へ
新関西国際空港はこのほど、新しいLCCターミナル「第3ターミナルビル(T3)」の建設を発表した。現在内際共用のLCCターミナルとして活用している第2ターミナルビル(T2)は国内線専用に改修し、T3を国際線専用とする。
また、LCCターミナル増設に伴い、チェックイン棟を新設。駐機場やスポットなどの基本施設も整備する。基本施設は2015年度中に、各ターミナルは2016年下期に供用を開始する予定だ。総事業費は120億円。T2、T3を合わせた年間旅客数は現在の2倍にあたる800万人を見込む。
T3は一部2階建ての平屋建てで、駐車場を挟んでT2の向かい側に位置。中間点にチェックイン機を設置するチェックイン棟も設置する。新設部分の総面積は3万3000平方メートル。すでに基本設計にとりかかっており、2015年度から建築工事を開始する予定だ。
基本施設では6スポットを増設。中大型機は6機、小型機11機まで対応可能だという。現在ほぼ設計は終了しており、14年度から工事を開始する予定。さらに、T3の建設に合わせT2の改修工事も実施する。
新関西国際空港経営戦略室によると、LCCターミナルは関空を起点として飛ぶ拠点型LCCの利用を主として想定。現在T2は関空拠点のLCCであるピーチ・アビエーション(MM)が利用している。T2のスポット数は9つだが、現在MMは11機保有しており、15年末までに17機に増やす計画だといい、今後T2では対応しきれないことが「今回増設を決めた大きな動機」だという。
関空はジェットスタージャパン(GK)も第2拠点化を表明しているが、経営戦略室によると、GKは拠点化を無期限延期しているとの認識で、拠点LCCとしては見ていないと説明。GKも含め、MM以外が拠点化する場合は、第4、第5ターミナルの建設の可能性もあるという。なお、関空が拠点でないLCCのT2、T3の利用は「拠点LCCの運航に支障のない範囲の中で」希望があれば受け入れるとしている。