観光庁、14年度予算案は2%増、VJ事業は4.2億円増

  • 2013年12月24日

 政府が12月24日に閣議決定した2014年度予算案で、観光庁については前年比2%増の98億1100万円となった。復興庁の計上となる「復興枠」を含めると1%増の103億5900万円。概算要求では、復興枠なしで19%増の114億4100万円、復興枠を含めて21%増の123億3600万円を求めていたところだが、観光庁では「財政事情が厳しい中で、前年を上回る予算を認めていただいた」とコメントした。(項目別の概算要求、予算案の一覧は次ページに掲載)

 概算要求で観光庁は、政府の「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」と「日本再興戦略-Japan is BACK-」に基づく政策の着実な推進に向け、(1)訪日外国人旅行数拡大に向けたインバウンド政策の推進、(2)観光地域づくり支援、(3)旅行振興、(4)観光統計の整備、(5)その他経常事務費などの5分野で予算を要求。閣議決定された予算案では、(1)のインバウンド政策と(5)のその他が前年を上回ったが、残りの3点は前年割れした。

 インバウンド政策は4%増の84億9700万円で、このうちビジット・ジャパン(VJ)事業に関わる項目は7%増の61億500万円と大きな伸び率となった。VJ事業の内訳は、従来の「訪日旅行促進事業」が14%減の49億300万円となった一方、政府が成長戦略などの重点分野用に設定した「新しい日本のための優先課題推進枠」から、「戦略的訪日拡大プランの推進」に12億200万円が認められた。

 「訪日促進事業」では、韓国、台湾、中国、米国、香港の5大市場にシンガポール、タイ、マレーシアを追加して8市場で広告宣伝を含む消費者向けの誘客活動を展開。首都圏空港の発着枠拡大などと連動した訪日プロモーションもおこなう。

 「戦略的訪日拡大プランの推進」では、東南アジアに特化してプロモーションを展開するほか、欧州、インド、トルコなどの潜在的な需要を見込める市場でも活動する。当初はこの項目で20億600万円を要求していたが8億円強の減額となっており、観光庁では潜在市場の対象国から南米を除外して対応する方針だ。

 このほか、予算が前年割れした(2)観光地域づくり支援、(3)旅行振興、(4)観光統計の整備では、観光地域づくり支援が93%増の10億5100万円の要求に対して4%減の5億2200万円と評価を得られず。一方、旅行振興は35%減の6500万円要求が40%減の6000万円、観光統計の整備は16%減の4億3300万円要求が17%減の4億2900万円と、概算要求と予算案の差額は数百万円に留まった。

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