高知・幡多地域を大学生が“発信”(2) 観光メニューを提案

 「みのりん」は最高気温38.6度のなか、2日間をかけて四万十川の源流から河口まで200キロをサイクリングした様子を小冊子でレポート。黒砂糖、天日塩、柑橘類など地域の特産品を使ったスポーツドリンクの製品化や、サイクリストにトリップデータを写真などと一緒に記録・公開できるアプリを提供し、四万十サイクリングマップづくりを提案した。

 「まーし」は世界を放浪するバックパッカー。「足摺の星空はサハラに負けていない。足摺へは羽田から5時間かかり遠いけど、僕たちバックパッカーは能動的で楽しむことに貪欲だからどこにでも行く。幡多に欠けているのはゲストハウス。中村市街の商店街に空き店舗を改修してゲストハウスをつくるべし」。

 日本に滞在する留学生に注目したのは「おかぴー」。「日本にいる海外からの留学生は13万8千人。このうち4万3500人が東京にいます。留学生とチューター役の日本人学生、国際関係に関心のある学生を集め20人単位のグループで幡多のロングステイを提案しては。募集主体が大学なら知名度のない幡多でも大丈夫」。

 観光インターン事業で指導役を務めた梅本嗣・高知県観光コンベンション協会部長(博報堂ディレクター)は「学生たちの情報発信で『はた博』の公式フェイスブックのアクセスや『いいね』の数を押し上げたものの、首都圏への情報発信効果は不十分だった。ただ、彼らの活動がはた博と地元住民の触媒になったことは確か」と、地元にとって観光インターン事業の成果を総括した。

 また、松本和久・幡多広域観光協議会事務局長も「幡多に対する学生たちの高い評価を地元の自信につなげたい。小冊子は万単位で印刷し、幡多観光の広報に活用したい」と成果物の出来に満足感を示していた。


情報提供:トラベルニュース社