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JTB、上期売上高4.6%増-国内好調、海外も単価増

  • 2013年11月17日

会見で説明するJTB取締役旅行事業本部長の大谷恭久氏 ジェイティービー(JTB)グループの2014年3月期第2四半期累計期間(2013年4月1日~9月30日)の連結業績で、売上高は前年比4.6%増の6672億6100万円となった。このうち旅行の売上高は4.8%増の6083億5700万円で全体に占める割合は91.2%となり、過去10年間で最も高い数値。また、全売上高、旅行売上高ともにリーマン・ショック以降の最高値を更新した。

 旅行売上高のうち海外旅行は0.7%増の2754億円に留まったが、国内旅行が5.8%増の2991億3700万円と好調で、訪日旅行と海外発海外、日本以外からの受けを含めた国際旅行も38.5%増の338億2000万円と大きく増加した。商事、ホテル、出版など旅行以外の事業は2.9%増の589億400万円で、合計は4.6%増の6672億6100万円。

 売上原価を見ると、国内旅行は5.7%増の2383億6900万円、国際旅行は38.7%増の269億9000万円とほぼ売上高と同じ伸び率であったが、海外旅行は地上費の増加や円安により2.8%増の2173億2500万円となった。これにより、売上総利益は、国内旅行が6.0%増の607億6800万円、国際旅行が37.8%増の68億3000万円、海外旅行が6.2%減の580億7500万円となり、その他事業を含めた合計は1.9%増の1397億2700万円となった。

 海外旅行では、中国、韓国への需要が減少した一方、ハワイや欧州でカバー。ルックJTBの取扱状況では、例えば韓国は通年の取扱人数が昨年は30万人であったところが15万人に落ち込む見込みだが、ハワイと欧州は上期で取扱人数、取扱額ともに10%前後上昇。全方面の合計では、取扱人数は上期が6%減、下期が微減となり、通年で3%減に落ち着く予想。また、取扱額は上期が1.4%増、下期が9%増、通年で4%増との見込みだ。

 ルックJTB以外の取扱額は、団体旅行が2.0%減、メディアが2.2%減などとなった。JTB取締役旅行事業本部長の大谷恭久氏によると、特に法人の動きが予想以上に慎重だといい、下期も同様の傾向が続く可能性があるという。

 海外旅行以外では、すべて取扱額ベースで、国内旅行はエースJTBが6.1%増と伸びたほか、団体旅行も5.7%増。メディアは5.7%減と前年割れした。国際旅行のうち訪日旅行は26.6%増、海外発海外などが56.3%増となった。訪日は円安や東南アジアのビザ緩和などにより今後も好調に推移する見込みという。

 このほか、連結業績の販管費は3.3%増の1239億2700万円で営業利益は7.6%減の158億300万円、経常利益は9.5%減の169億1700万円、当期純利益は2.7%増の106億7000万円。売上高と当期純利益で、2期連続の増収増益となった。販管費では、テレビCMやオンライン広告などで販売費が5.6%増、従業員が604名増えたことなどで人件費が4.0%増となっている。従業員数については増えてはいるものの、合計は2万6279名で2010年3月期と比較すると2500名以上少ない。国内で旅行に従事する従業員は1万6804人で1人あたりの旅行売上高も3620万円と増加している。

 なお、通期見通しのうち、売上高は3.4%増の1兆2770億円、営業利益は15.4%減の130億円で変化ないが、経常利益が18.9%減の150億円、当期純利益が7.2%減の80億円と、それぞれ前期初の予想よりも20億円ずつ上積みした。下期は、海外で欧州、ハワイ、東南アジアで近距離アジアの落ち込みのカバーをめざすほか、学生旅行や春の家族旅行に注力。また、人材育成や店舗、システムへの投資も継続していくという。