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和食の鉄人を料理顧問に 日本旅館協会が委嘱

 和食文化の国内外への発信を強化しようと日本旅館協会は10月15日、日本料理の第一人者である道場六三郎さんと、勲章料理人・大田忠道さん両氏に日本料理顧問を委嘱した。協会として和食の開発や和食文化の継承、世界に向けた情報発信に指導を仰ぐ。

 和食がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界無形文化遺産として12月に登録されるのを前に日本旅館協会が料理人支援制度をスタートさせる。10月15日に東京・神田の同協会事務所で近兼孝休会長が両氏に委嘱状を授与した。近兼会長は「旅館はおもてなしと料理が命。協会加盟の3200軒の料理長が和食文化の第一人者から教えを乞い、ともに勉強していきたい」と意義を強調した。

 これに対し道場さんは「大役と感じています。旬の食材の本当のうまさを知っている人が少なくなりました。食材そのものの持ち味を出せる料理を覚えてほしい」。大田さんは「料理の鉄人で道場先生が和食を世界に知らしめました。今度は旅館が和食文化を世界に広めましょう」と話した。

 委嘱式に同席した観光庁の清水一郎・観光戦略課長は「海外からの旅行者の大きな楽しみは食。顧問、指南役の委嘱は時宜を得た取り組み」と期待を示していた。

 また、日本料理顧問と併せて、同協会加盟旅館ホテルの料理長6人を日本料理指南役に委嘱した。会員旅館からの相談に応じるほか、料理講習会の講師として派遣する態勢を整える。

 日本料理指南役は次の各氏。

 藤井修一さん(北海道定山渓温泉・章月グランドホテル総料理長、和歌山県白浜温泉・白良荘グランドホテル総料理長)▽隈本辰利さん(福島県穴原温泉・吉川屋料理長)▽原口義昭さん(神奈川県三浦市・マホロバマインズ三浦料理長)▽井上明彦さん(兵庫県湯村温泉・佳泉郷井づつや料理長)▽梶本剛史さん(山口県湯田温泉・松田屋ホテル料理長)▽佐藤文昭さん(佐賀県嬉野市・ダイニングすずしろ料理長)


情報提供:トラベルニュース社