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福島から"ありがとう" 日旅協会長・近兼さんに復興支援のお礼参り(2)

 菅野さんは「震災後、多くのところからご支援をいただいた。その中でもっとも早く支援に駆けつけていただいたのが近兼会長です。私の心の支えとなりました。金刀比羅宮のお札は玄関にお祀りし、私や社員はもちろん、宿泊の多くのお客様が参拝されて、今日を迎えることができたと思っています。今回、琴陵宮司とお会いできたことも自身にとって、かけがえのない体験となりました」。

 また、「震災からすぐに四国から福島という遠距離に来られた近兼会長の行動力には驚いています。遠方であればあるほど、自分とは関係のないものだと思いがちです。私もそうでした。これから同業者の仲間が何らかの被災を受ければ率先して行動したい」とお礼参りのツアーの感想を述べた。

 近兼会長は「苦しいときに励ましあうことが大事です。出会いや絆があっての日本旅館協会でありたい。この思いを胸に刻んで業界発展のために努力したいと思います」と話していた。

 現在の福島県の復興状況について菅野さんは、会津方面はNHK大河ドラマ「八重の桜」の影響で好調だとしながら「磐梯熱海温泉はまだ観光客は戻って来ず厳しい状況が続いている」と強調。しかも宿泊客の80%が警察や工事関係者を含む宿泊者であるにもかかわらず、行政は復興しているかのような判断を行おうとしていると指摘。売上げ減少の理由を詳細に記した書類提出の要請、土産物店への補助金カットなどに対して、抗議していく考えだという。

 また汚染水の影響がどのような形で出るのかが不安材料だとし、秋の観光シーズンでどれだけ復興していけるのか注視する、としている。


情報提供:トラベルニュース社