隣国との交流深化(2) 15年には1千万人往来へ

 9月27日、奈良市の奈良県新公会堂に日韓の観光関係者が約100人集まった。2国間の交流人口700万人に向けた一歩をしるす「第1回日韓地方観光交流サミット」だ。日本側は観光庁の篠原康弘審議官や荒井正吾・奈良県知事、韓国側は文化体育観光部の慎庸彦局長らが出席。両者とも地方レベルでの交流を深めていくことで認識が一致した。

 奈良市で日韓地方交流サミット

サミットでは日本政府観光局(JNTO)の加藤隆司理事が講演し、韓国の旅行市場について話した。加藤さんは「個人FIT化が進み、スキーやゴルフ、アウトドアなど10年前にはなかった市場が活発化してきました。これらは地方で楽しめる素材です」とし、観光庁が推奨する旅行商品ロゴ「JRoute」の活用を呼びかけた。今後は地方観光交流元年のロゴも作成し、韓国発の旅行商品に交付していく。

 また、LCCやオープンスカイによる日韓地方交通ネットワークの拡大、レンタカー旅行の増大(12年度比81.1%増)などを指摘し「韓国人旅行客が地方へ行く素地はできてきた」とした。

 学校間交流に取り組む奈良市、山梨県との交流が盛んな忠清北道など自治体からの事例報告も行われた。

 韓国の慎局長は「UNWTO(世界観光機関)がシルクロードプロジェクトを打ち上げています。中国を含めた三国間のルート創造が大事。欧米への共同プロモーションを早期に実現したい」とし、日韓間は(1)姉妹都市の交流(2)青少年の交流(3)空の道の交流を拡大し「15年には1千万人の交流人口を目指そう」。

 

情報提供:トラベルニュース社