カナダ、FITが増加傾向、市場のニーズにあった商品造成を
カナダ観光局(CTC)は、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)観光局、アルバータ州観光公社、オンタリオ州観光局、ユーコン準州観光局、ノースウェスト・テリトリーズ(NWT)観光局と共同で、冬・春の商品造成に向けたセミナーとワークショップを開催した。
CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏は日本市場の現況に触れ、「今年度の特徴として、55歳以下の日本人訪問者数が増えた」と説明。その要因として、オーロラ人気、修学旅行やFITの増加を挙げた。また、CTCによる調査の結果、FIT増加の要因には、自分で体験を探したい旅行者が増えたこと、小グループでの旅行が好まれていることに加え、「旅行会社の商品に興味を惹かれるものが少なかったことが挙げられる」として、旅行会社に市場のニーズに合った商品造成を呼びかけた。
また、モリーン氏は、現在CTCのウェブサイト上で展開している特設サイト「オーロラ王国カナダ」を紹介。「オーロラ以外に冬のアクティビティが豊富に揃うのがカナダの特徴」と話し、情報収集や顧客対応での利用を勧めた。このほか、9月にリニューアルされたカナダ・スペシャリスト・プログラムやSNSによるプロモーション活動などについても説明した。
セミナーでは、各観光局が冬の観光素材を紹介した。BC州観光局は、バンクーバーでの新アトラクションとして、カナダの雄大な自然をヘリコプターに乗った感覚で疑似体験する「フライオーバー・カナダ」を紹介したほか、ウィスラーでのスキーやスノーボード、ビクトリアに新しくオープンした「パブリック・マーケット」も取り上げた。
アルバータ州観光公社は、冬のカナディアン・ロッキーの絶景、温泉、星空鑑賞、オーロラをキーワードに商品化を呼びかけた。特に、シーズンが長く観測率も高いフォート・マクマレーのオーロラ、ダークスカイ保護区として指定されているジャスパーでの星空鑑賞、エドモントンの世界最大のショピングモールなどを商品素材として提案した。
オンタリオ州観光局は、新素材としてトロント空港郊外にオープンした「トロント・プレミアム・アウトレット」を紹介した。また、ナイアガラではFIT向けに観光シャトルバス「WEGO」を提案するとともに、来年4月から霧の乙女号がなくなり、新たにアメリカのナイアガラ・ホーンブロワー・クルーズによる運行が始まることも付け加えた。
ユーコン準州観光局は、オーロラ人気で昨シーズンの日本人旅行者が急増したことにより、日本人旅行者向けのツアーデスクを主要ホテルに設置するなど日本市場に力を入れる現地オペレーターが増えていると説明。また、オーロラ以外のアクティビティとして、犬ぞり、ホワイトホースでの街歩き、バイソンやカリブの肉といった珍しい食などもアピールした。
NWT観光局は、オーロラ鑑賞で主流になっているイエローナイフ市内での滞在型に加えて、好きな時間に好きな場所でオーロラが楽しめるロッジ滞在型も提案。このほか、アイスフィシング、犬ぞり、スノーシューなどをアクティビティとして紹介した。