アクセスランキング、1位はAZベネツィア線、若手社員の業界評も

[総評] 今週は、アリタリア-イタリア航空(AZ)が来年4月から成田/ベネツィア線に就航する記事が1位になりました。常に人気の高いデスティネーションであるイタリアで周遊の可能性が広がることになり、インターネット上でもすでに喜びの声が見受けられます。ほとんど日本市場向けのレジャー路線ですから、路線の成功に向けて旅行会社が担う役割も大きいように思います。

 イタリアといえば、先日サッカー日本代表のザッケローニ監督が「イタリア観光サポーター」としてイタリア政府観光局(ENIT)のイベントに来場し、イタリア旅行をアピールしていました(リンク)が、新路線もアクセス改善という点で需要増を後押しすると期待されます。

 ENITのイベントは高速列車「イタロ」のアピールを兼ねたもので、イベントの前に開催したワークショップではイタロのブースが一番人気であったそうです。イタロはフェラーリ列車とも呼ばれるなど話題性もありますし、今後は日本から3地点への空路と各地点間の鉄路を組み合わせた旅行が間違いなく増えていくはずです。

 また、今週の2位には、JATA旅博2013で学生向けに開催された業界研究セミナーと若手社員によるパネルディスカッションのレポートが入っています。旅行業界で働いていると当たり前と感じられるはずの内容でしたので、正直なところさほど読んでいただけないのではと危惧していましたが、杞憂だったようです。

 ディスカッションのトピックは理想と現実といったところですが、仕事をする上で理想や想像と異なる現実に直面しながらも、業務を通してやりがいを感じる、という流れは非常に一般的ではないかと思います。私も思い当たる節がたくさんありますし、むしろ「仕事が楽しくなるように仕事をする」ことが大切だと考え、心がけているところです。

 ただ、仕事を楽しいと思うことによって自分の心を騙そうとしている、そんな可能性があるのではないかと考えることもあります。それなりに心身が健康であれば望まない仕事でも楽しいと思う機会はあるはずで、それによって無意識的に自らを納得させる、いわば自己防衛のような機能が働いているのではないかと思うわけです。

 そうなると、人生は一度きりですからより良い自分、より良い環境を追い求める生き方もあって良いでしょう。「あなたの仕事はあなたにとって天職か」と問われてすぐに肯定できる人は10人に1人もいないような気がします。

 一方で、どのような仕事でも大抵の場合は理想と異なる現実があるはずという指摘も成り立ちます。短い期間で転職を繰り返せば、勤勉や忍耐といった日本で美徳とされる特性を認められず、経営的にも教育期間の投資を回収できない人と捉えられ、生きにくくなることは間違いなさそうです。

 矛盾の故事のやりとりのように収拾がつかなくなりそうですので切り上げますが、結局のところ「大事なのはバランス」という曖昧な落としどころに落ち着くのかもしれません。色々な意見をお聞きしてみたいものです。

 個人的には、耐えて見えるものがあると感じているものの、あれこれ思考がさまよううちに、もしかすると記事中で日本旅行の矢嶋敏朗氏が強調された「夢」さえあれば、どちらの道を歩んでも関係ないのかもしれないとも考えさせられました。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年9月第4週:9月22日0時~9月27日19時)
第1位
アリタリア、成田/ベネツィア線開設、ミラノも増便(13/09/22)

第2位
若手社員が語る業界の魅力、学生向けJATA業界研究セミナー(13/09/24)

第3位
トラベル世界が破産開始決定、負債は527名に2.98億円(13/09/22)

第4位
フィンエアー新CEO、日本市場を最重視、新機材投入にも意欲(13/09/24)

第5位
海外旅行業況、ハワイなど上向き、業態別はインハウス堅調(13/09/26)

第6位
日韓観光交流、官民連携で復調へ-JATAも取り組み積極化(13/09/25)

第7位
日本航空、東北応援でチャーター、台湾訪日便とホノルル行き(13/09/22)

第8位
JTBハワイ、ホテル予約サイトを開設、FIT獲得へ(13/09/26)

第9位
KNT、サイト刷新で提案強化、テーマ旅行ページも(13/09/24)

第10位
エミレーツ航空、ドバイ/カブール線就航、12月4日から(13/09/24)