8月の出国者数は6.2%減の184.2万人-訪日は17.1%増
日本政府観光局(JNTO)によると、2013年8月の出国者数は前年比6.2%減の184万2000人となった。出国者数は2月から7ヶ月連続で前年割れとなっているが、減少幅は4月の11.8%減をピークに徐々に小さくなっており、8月は7月の8.6%減に比べて2.4ポイント改善した。
訪日外客数は17.1%増の90万6700人で、8月単月で比較すると過去最高を記録した。1月から8月累計は21.4%増の686万4400人と2ケタ増を維持。観光庁長官の久保成人氏は円高の是正による割安感の浸透や「東南アジアや欧米の夏の旅行シーズンで、訪日プロモーションを実施したことが功を奏したのでは」と喜びを示した。
ただし、訪日外客の伸び率は鈍化傾向にあり、7月の18.4%から1.3ポイント減少。今後は今年の訪日外客数1000万人達成をめざし、キャンペーンなどの訪日誘致の取り組みを一層強化していく考えだ。
市場別では、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、フランスが8月単月比で過去最高を記録。なかでもベトナムは46.4%増の6000人と数は少ないが、単月比では2012年1月以降、20ヶ月連続で過去最高を更新し続けてきているという。
また、7月1日から訪日ビザ免除となったタイは17ヶ月連続で単月比で過去最高を記録。前年比では102.3%増の2万3900人と大幅に増加した。同じくビザ免除となったマレーシアも42.2%増の1万1000人と高い伸び率を示した。
8月に最も多い訪日外客数を記録したのは韓国で、6.9%増の21万5600人。7月の28.6%増に比べ、伸び率が大きく鈍化した。久保氏は原発の汚染水問題がその一因となっているとの見方を示し、「正確な情報発信が従来以上に重要になっていく」考えを示した。とくに食べ物の安全については重要との考えで、食品の安全性のチェック体制などについて、わかりやすい資料で情報発信できるよう、引き続き取り組んでいく考えだ。
このほか、中国は14.6%減の16万2500人で唯一の2ケタ減となったが、1月から8月で最も多い訪日外客数を記録。JNTOでは回復の兆しが見えたとの考えだ。なお、オーストラリアも2.4%減の1万600人と前年を下回っている。