旅行業倒産、8月は件数・負債ともに減少、2件9900万円

  • 2013年9月9日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2013年8月の旅行業の倒産件数は前年比1件減の2件となった。負債額は17.5%減(2100万円減)の9900万円。8月に発生した倒産は、福岡県と東京都の2社で、福岡県の業者は航空券を主体として個人、法人向けに年商約2億円をあげていたが、インターネットの普及で大手との競争に苦しんだという。また、東京都の業者は海外ウェディングを扱っていたが規模が小さく、取扱額が伸び悩んだという。

 TSRでは8月の状況について、7月の2件減から2ヶ月連続で前年を下回り低水準で推移していると指摘。近距離アジアへの需要減で中小旅行会社の経営に影響が出ているものの、8月が夏の繁忙期であることに加え、中小企業金融円滑化法の終了後も、全体的に金融機関の貸出姿勢が変わらないことも効果があったとしている。ただし、中小と大手との業績格差が広がっていることから、今後も中小旅行会社を中心に倒産が散発するとの予想だ。

 なお、宿泊業については倒産件数が1件減の11件で、負債総額は87.0%減(149億4500万円減)の22億3400万円。負債の大幅減は、前年に負債総額20億円から50億円までの大型倒産が3件発生したためという。

▽訂正案内(9月10日10時05分 編集部)
訂正箇所:3段落1文
誤:なお、旅行業については・・・

正:なお、宿泊業については・・・