Marriott Bonvoy
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アクセスランキング、1位はエアアジア路線展開、2位はJLハワイ

[総評] 今週は、エアアジアX(D7)が日本路線で計画している積極的な展開についての記事が1位になりました。Googleニュースで取り上げられてアクセスが集中したため純粋な旅行業界の興味の度合いを表しているとはいいにくいですが、それでもLCCであること、路線関連の話題であることなどから、高い注目が集まっていたことに違いはないでしょう。

 周知の通りエアアジア(AK)グループでは、全日空(NH)と共同出資したエアアジア・ジャパン(JW)が頓挫し、9位にも最終セールの情報が入っていますが、記事ではまずD7として日本での事業拡大を進めていくことを明示しています。

 NHはJWを完全子会社化し、12月末に「バニラ・エア」として運航を開始する計画です。AKグループとしては国内線を諦めていないようですし、実現すれば国内線を運航するLCC(を自負する航空会社)は4社となります。そうなると、FSCを含めた競争はますます激化していくでしょう。

 その状況を想像するのは時期尚早ですが、一つ興味深いのは、仮にAKが国内でFSC以外あるいは航空会社以外の提携先を選択した場合、LCC4社の中で唯一、親会社または関連会社のFSCに配慮をする必要がなくなることで、そうなるとNHとAKの喧嘩別れでどちらの言い分が正しかったのかが分かりやすくなります。

 提携解消に際して、NHはAKがAKのやり方に固執をしたことが原因とし、AKはNH側のコスト削減の努力や意思決定のスピードなどに問題があったと主張しているところです。結果的にどちらも正しかったという可能性はあるものの、面子もあるでしょうし、LCCのビジネスモデルを考察する上でも興味深いせめぎ合いが繰り広げられることになりそうです。

 また、D7の事業拡大計画も野心的で、1年以内に中部か福岡、札幌のいずれかからクアラルンプールに就航し、残りの2都市も5年以内に乗り入れたいとしています。そうなれば5大都市すべてをカバーすることになり、さらにタイやインドネシアで関連会社を設立してバンコクやバリからの路線開設も果たしたいとのことですから、相当な座席供給量をめざしていることになります。

 マレーシアについては、日本旅行業協会(JATA)とマレーシア政府観光局の間で日本人訪問者数を2015年までに100万人に拡大する覚書を締結しているところで、D7の計画が進めば追い風になっていくと思われます。

 なお、今週はこのほか日本航空(JL)によるホノルル線のサービス拡充が2位に入っています。機内食についてはフォトニュースでもご紹介しましたが、機内の時間が楽しくなりそうなメニューでした。

 記事でも触れたとおり一時は落ち込んだ訪問者数も回復基調にありますが、ハワイはJLにとっても国際線の原点、日本の海外旅行市場にとっても原点ということで、JLの新サービスもさらなる需要増の呼び水になって欲しいところです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年8月第5週:8月25日0時~8月30日18時)
第1位
エアアジアX、新路線開設-1年内に地方路線、タイなど検討も(13/08/25)

第2位
JAL、ハワイ線サービス拡充-植木社長、HNLは「国際線の原点」(13/08/26)
フォトニュース:日本航空、ホノルル線新機内食(13/08/27)

第3位
タイ国際航空、日本線の供給量大幅増、成田と関空にA380追加も(13/08/26)

第4位
多様化するシニア-現在~次の世代のマーケティング、JTBFシンポジウム(13/08/29)

第5位
HISチャーター会社、関空就航日を再々延期、2機目の認可遅れ(13/08/27)

第6位
ピーチ井上社長「我々の道を行く」-成田線就航でおしぼり配布(13/08/28)

第7位
ANAセ、ワンダーアース順調、客層多様化へ-訪日の取組も強化(13/08/28)

第8位
観光庁予算要求、19%増の114億円-東南アジア強化、新市場開発も(13/08/27)

第9位
エアアジア・ジャパンが最終セール、成田国際線が片道3900円(13/08/26)

第10位
スクート、静かな席を有料指定可能に、足元も広く(13/08/27)