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アクセスランキング、1位はバニラ・エア-ミャンマー/茨城も

[総評] 今週は、年末の運航開始を予定する全日空(NH)の新LCCについての記事が1位、2位を占めました。都合上、1位に2本をまとめて表示していますが、同じ話題の記事が上位2位を占めたことはこれまでほとんどなかったように思います。

 高い注目の背景として、LCCであること、NHとエアアジア(AK)が共同出資したエアアジア・ジャパン(JW)がうまくいかなかったことなど要因が考えられる中で、やはり一番はなんといっても「バニラ・エア」というブランド名だと思われます。ピーチ・アビエーション(MM)の次がバニラということで、すでにインターネット上では様々な意見が交わされていて非常に興味深いところです。

 ブランディングは、企業にとって非常に大切であるがゆえにその分大変な作業でもあります。例えば、私は極端な辛党ですのでピーチもバニラもピンと来ず、むしろ「エア・ビア」ですとか「ウィスキー航空」などの方が親近感が湧くのですが、そんな名前を付けても一般的には真っ当な印象を与えられないでしょうし、ターゲットとする老若男女の支持を幅広く集めることは不可能でしょう。

 あるいは、海外の消費者を意識すれば「スシ・エア」などというブランドを思い付いてしまいますが、これも個人的には馬鹿馬鹿しさが好印象ながら、眉をひそめる方もいらっしゃるでしょうし、やはりターゲットは限定されてしまいそうです(話題性ではピーチ、バニラを上回りそうですが)。

 このような夢想は無責任かつ簡単なものですが、実際には何十億円、何百億円を左右する話であり、多くの人生にも関わります。「バニラ・エア」と「エア・バニラ」だけでも議論があるはずで、一度決めてしまえば容易に変えられるものではありませんから、担当者や決定する立場にある方々が感じられるであろうプレッシャーは想像もつきません。

 今後、ブランド名や商品名などの取材機会があった際には、現場レベルの担当の方にどういった苦労を経てどのような思いを込めたのかをお聞きしてみたいものです。

 なお、今週はこのほかにも航空関係で興味深いニュースが多くランクインした週でもありました。例えば2位では、エイチ・アイ・エス(HIS)のチャーター専門航空会社が2度の就航延期を経ながらも初便を運航できましたし、4位のミャンマー国際航空(8M)がなんと茨城から定期チャーターを飛ばすというのも気になります。

 ミャンマーにはNHが成田から就航していますが、8Mの便は茨城からであることや日本国内で給油のための着陸が必要なことなどから、運賃は競争力のある水準となるでしょう。現地のホテルを確保できるかが課題ですが、特にレジャーでの旅行を後押しする可能性は十分にありそうです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年8月第4週:8月17日0時~8月23日17時)
第1位
全日空の「バニラ・エア」、国際線中心、旅行会社も重視(13/08/20)
全日空新LCCは「バニラ・エア」、親しみやすさで選定(13/08/20)

第2位
HISのチャーター会社、成田初便は満席-旅行会社に営業継続(13/08/20)

第3位
デルタ航空、関空/シアトル線運休へ、冬の需要低迷を懸念(13/08/19)

第4位
ミャンマー国際航空、茨城で定期チャーター、12月から週3便で(13/08/19)

第5位
JAL・ANA、お盆利用率90.3%-LCCはジェットスターJが追い上げ(13/08/21)

第6位
国交審議官、成田のオープンスカイ拡大へ、LCC対応も(13/08/17)

第7位
主要57社、上半期の海外旅行は3.8%減、6月単月も減少(13/08/17)

第8位
外務省、エジプト全土の渡航情報「可能な限り早期退避検討」に引き上げ(13/08/19)

第9位
業法改正に向け特別委員会-JATA、JTB田川氏を委員長に(13/08/21)

第10位
ユナイテッド航空、成田3路線を大型化-ORD、SFO、HNL(13/08/20)