全日空の「バニラ・エア」、国際線中心、旅行会社も重視

  • 2013年8月20日
JW代表取締役社長の石井知祥氏

 エアアジア・ジャパン(JW)は、10月の運航停止後に全日空(NH)の100%子会社の“バニラ・エア”として再出発する。路線計画などは9月下旬の発表を予定しているが、8月20日に開催したブランド発表会では、幅広い客層をターゲットとして成田を拠点にレジャー、リゾート路線に特化し国際線に注力していく方針を表明。当面はエアバスA320型機で就航可能な短距離路線に就航するが、将来的には中距離、長距離路線もNHのマルチブランド戦略の中で検討していくという。

 JW代表取締役社長の石井知祥氏は発表会とその後の個別取材で、「ターゲットは老若男女、ファミリー、グループ、インバウンドと幅広いお客様を対象としている」と説明。運賃は「最低でも大手の半額」を念頭に置いている。

 また、「新しいタイプのLCC」をめざすといい、低運賃に加えて「サービスはシンプル、簡単、便利。品質面では、定時運航率を高めて遅延率や欠航率は低く」できるよう工夫。さらに、日本人消費者に受け入れられる「心地いいサービス」により、「安かろう悪かろう」を排除するとともに「感動」を提供していく方針。石井氏は、「空の旅は昔から夢があり、ロマンチックなもの。お金をかけなくてもできることはある」との考えだ。

 就航路線は未定だが、「リゾート、レジャー路線に特化し、国際線に比重をおいた新しいLCCを作っていく」計画。国際線に焦点を当てる理由としては、成田の発着時間帯が限られる中で、機材の稼働時間や旅客単価が国内線よりも有利と判断した。路線は「余暇で旅行されるお客様がターゲット。路線はどこでも良い」といい、いわゆるリゾート路線に限定はせず、NHのマルチブランド戦略の中で、調整しながら決定していくとした。

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