13年上半期の出国者数は7.9%減、観光庁、ツーウェイ促進-訪日は22.8%増
▽訪日は22.8%増、井手長官、1000万人に向け「かなりいい数字」
一方、訪日外客数は上半期累計で22.8%増の495万4600人と過去最高で、今まで過去最高だった2008年の上半期比でも14.2%増となった。井手氏は、下半期も同じ伸び率だとすれば、2013年計は1026万人になると予想。下半期は上半期に比べ、7月、8月、10月、11月など旅行者の絶対数が多い月があることから「まだ安心はできないが、(2013年目標の)1000万人に向けて上半期はかなりいい数字が出た」と喜びを示した。6月単月も31.9%増の90万1100人と好調で、過去2番目の訪日外客数を記録。4ヶ月連続の2ケタ増となった。
上半期の国別では、中国以外の全方面で前年超えとなっており、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、オーストラリア、フランスで過去最高の訪日外客数となった。中国については27.0%減となったが、6月単月では21.4%減で、4月以来減少幅は小さくなっている。
井手氏によると、中国の旅行者のうち団体ビザと個人ビザの比率は5対1。団体については戻りが悪いが、個人については春頃にほぼ回復したという。中国向けには6月21日に中国で国家旅游局の協力のもと、北京で旅行業界向けイベントを実施するなどプロモーションを続けており、今後も引き続き「手を緩めずやるべきことを継続していく」とした。
下半期以降については、韓国との日韓地方観光交流元年を着実に推進していく考え。6月には福岡で日韓観光サミットを実施しており、今後さらなる地方への誘客をはかる。また、7月から東南アジア5ヶ国でビザ緩和を実施しており、井手氏は「この機会を逃さず積極的にやっていく」と意気込みを示した。7月中旬には外務省などと、バンコクで個人旅行者向けにビザ緩和をアピールするイベントを実施しており、旅行会社やタイ国際航空(TG)のブースで商品を買う消費者の姿が目立ったという。年末に向けてこうした活動を継続していく考えだ。
さらに、7月1日付でインバウンド政策推進体制の強化をはかり、観光庁の組織再編も実施。今後は「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の実行に向け、実行に向けた手順やスケジュールなどを協議していく。今夏中には取りまとめをおこなう予定だ。