アクセスランキング、1位はHISチャーター会社、LCCも4本
[総評] 今週は、エイチ・アイ・エス(HIS)のチャーター専門航空会社「アジア・アトランティック・エアラインズ(AAA)」が予定していた初便の就航日を延期した記事が1位になりました。機材到着が遅れ、航空会社としての経営許可(AOC)の取得が間に合わなかったということで、注目が高いだけに最初からけちが付いたように目立ってしまいそうですが、代替便手配などの対応はさすがに安心感があります。
気になるのは7月27日の関空就航日は延期しないという点で、チャーター便を運航する際は10日前までに国土交通省航空局への申請を終える必要があるため、AOCの取得や運航許可申請に使える時間が非常に限られています。一般的に、1回目のミスについては対応が適切であれば逆に印象を良くすることもできますが、2回目以降はいっぺんにハードルが上がってしまいますので、無事に運航を開始できるよう願うばかりです。
さて、2位以下を見ますと今週もLCC関係の記事が多くランクインしています。まず2位にはジェットスター・ジャパン(GK)、エアアジア(AK)などのトップが登壇したパネルディスカッションの記事が入っていますし、7位と9位にはピーチ・アビエーション(MM)、10位にはチェジュ航空(7C)が入りました。
この中で意外だったのはMMの7位の順位で、全日空(NH)とAKが提携を解消したエアアジア・ジャパン(JW)が今後どうなるかという点についての注目度を考えると、もう少し順位が高くなるかと予想していました。
MMとJWを立ち上げたNHがJWに見切りをつけたとなると、どうしてもMMに目が行ってしまいますが、MM代表取締役CEOの井上慎一氏は否定的なコメントをされています。この記事に付いたTwitterのつぶやきで、NHが筆頭株主となっているスターフライヤー(7G)との合併を「ウルトラC」と書かれた方もいらっしゃいましたが、果たしてどのような結論が出るのか楽しみなところです。
一方、「日本の空の旅を変革するという我々の目標は変わらない」というAK側の動きも気になるところです。「エアアジア・ジャパン」ブランドでの運航が終了する10月末までに何かしらの決定を下すのか分かりませんが、LCC元年を形作った3社のうち1社が早々に舞台から去ることが決まった中で、AKの次の一手が日本の「LCC業界」の行く末に与える影響は小さくないと予想されます。
なお、記事にはしていませんが、今週は先週の1位であったトラベル世界の営業停止について追加の情報収集を進めていました。記事として掲載しなかったのは、ゴシップ誌じみた噂が聞こえてきたことが一因ですが、大きくは関係者に直接取材をできていないことが理由です。
ただ、トラベル世界との関係が深かった方に聞いた話では、現場の社員の方々はまったく知らされておらず、月曜日に出社してみて気付いたということでした。そうであるとすれば当然、営業を停止した日のセミナーも催行予定であったツアーも、あるいは来月予定していたドゥルクエアー(KB)のチャーターも、現場担当者は一所懸命取り組んでおられた可能性が高いように思われます。
先週の当欄で「晩節を汚す振る舞い」という表現を使用しましたが、会社としてお客様に御迷惑をお掛けしてしまった事実に変わりはありませんし、知らなかったら許されるのかという議論もあるかもしれません。しかし、特に現場の方々の中には今後も旅行業界で糧を得ようとする方がいらっしゃるはずで、そうした方々が会社の「振る舞い」に積極的に加担したかのような誤解は広まってほしくないと願い、この場でご紹介した次第です。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年7月第2週:7月7日0時~7月12日18時)
第1位
◆HISのチャーター会社、就航延期、代替便で振り替え対応(13/07/10)
第2位
◆LCC、旅行会社の販売力に期待-鍵は地方需要開拓、WITより(13/07/09)
第3位
◆KLM、福岡線ロードファクター8割-8月好調、訪日強化へ(13/07/07)
第4位
◆アシアナ航空、サンフランシスコで着陸失敗、B777型機(13/07/08)
第5位
◆上期倒産件数、旅行会社は27件、中小規模が85%(13/07/09)
第6位
◆楽天トラベル、インバウンド拡大に意欲-スマホ対応強化も(13/07/08)
第7位
◆ピーチ、エアアジアJ吸収は現時点でなし-自社の黒字化最優先(13/07/10)
第8位
◆ルックJTB、下期はハワイ・欧州など注力、150万人必達へ(13/07/10)
第9位
◆ピーチ、成田就航に向け「ルネ」とコラボ-女性層意識(13/07/10)
第10位
◆チェジュ航空、成田/仁川線に就航、初便搭乗率8割(13/07/07)