フィリピン航空、EUに就航可能に-ロンドン、パリなど再開に意欲

  • 2013年7月16日

 欧州委員会(EC)は7月10日、フィリピン航空(PR)の欧州乗り入れを許可した。同日付でEU域内への乗り入れ禁止航空会社のリスト(EU航空安全性リスト)を更新。ECでは2010年以来、安全管理体制などの不備を理由にフィリピンの航空会社の欧州への就航を禁止していたが、今回安全性が改善されたとしてPRをリストから除外。他のフィリピンの航空会社については引き続き乗り入れを禁止している。

 PRプレジデント&COOのラモン・アン氏はこれを受けて「PRが安全な航空会社だと評価された証拠」と喜びのコメントを発表し、欧州方面へのネットワーク拡大に意欲を示した。以前就航していたロンドンやパリ、フランクフルト、アムステルダム、ローマ、マドリッドといった欧州の主要都市への運航を再開したい考えだ。

 フィリピンについては、今年3月に国際民間航空機関(ICAO)が「重要な安全性の懸念(SSC)」の認定を解除したところで、ECはこれに続いた形。しかし、米国と日本はフィリピンの航空会社に対する路線拡充の制限を継続しており、同国の航空会社は既存路線・便数の維持は可能だが、未就航の航空会社による就航や新路線の開設、増便、臨時便、チャーター便運航は認められていない。

 フィリピン政府観光省(DOT)東京支局の横山泰彦氏は「後は日本とアメリカの対応。アメリカ(の規制)が解ければ、日本もそれにならうのではないか」とし、「アメリカも時間の問題なのでは」と期待を示した。

 PRも、日本の制限撤廃に期待を寄せる。国土交通省航空局には制限の撤廃と成田/セブ線の増便や機材のアップグレードなどを要望しているという。路線拡充が制限される以前に実施していた、地方発のセブチャーターも実施したい考え。農閑期にあたる冬季や年末年始、ゴールデンウィークなど、需要が高い時期におこないたいという。さらに、羽田線就航についても、2014年3月末の国際線発着枠増加に伴い就航したいとした。