夏の海外旅行者5.8%減、単価は増加-JTB予想

 ジェイティービー(JTB)は、このほど取りまとめた2013年の夏休み期間(2013年7月15日~8月31日)の旅行動向で、海外旅行者数が前年比5.8%減の260万人となる見込みを示した。昨年は円高の追い風などにより276万人が海外旅行に出たとの分析だが、今年は近距離アジアの需要低迷もあって前年割れ。ただし、見込み通りの規模であれば2011年並みの水準は維持することとなる。

 方面別ではタイやマレーシア、カンボジア、ベトナムなどに人気が集まっているといい、座席供給量の増加や世界遺産とリゾートを一度に楽しめる点などから家族や女性同士での旅行など幅広いニーズが集まっているという。このほかハワイも堅調であるほか、フランスやイタリア、イギリスなど欧州も好調に推移。このため、海外旅行の平均費用は5.1%増の24万3200円と前年を上回り、総消費額も6323億円で1.0%減に留まる見通しだ。

 JTBが手がける企画商品の予約状況を見ると、出発のピークは8月10日と11日。欧州は8月10日、ハワイや東南アジアは同11日が多く、近距離アジアでは8月15日前後の人気もあるという。また、9月にも3連休が2回あることから、7月と8月を避ける動きも見られるという。

 このほか、国内旅行の人数は2.2%増の7624万人、平均費用は3.8%増の3万5010円、総消費額は6.1%増の2兆6693億円との予想。旅行目的で「海辺で保養・海水浴」が32.4%増と大きく増えているほか、世界遺産登録が決まった富士山とその周辺エリアが活発化。また、LCCの浸透もあってか飛行機の利用者が増加傾向にあるという。

 なお、調査は航空会社の予約状況や1200人が回答した旅行動向アンケート、JTB、グループの販売状況などから推計したものだ。