スクート、14年にB787、日本新路線も-取消料を約款に対応へ
▽販売戦略、旅行会社経由を重視-標準旅行業約款に適した取消対応も
坪川氏は日本市場での販売戦略について「市場にあった流通戦略をしっかりとることが大切」とし、旅行会社経由の販売を引き続き重視していく考えを示した。同氏によると、現在日本での販売の約80%が旅行会社経由。15%が自社サイト経由の直販で、一部オンライン・トラベル・エージェント経由の販売もおこなっている。
旅行会社経由での販売は、日本地区総販売代理店(GSA)やGDS、BSPなどさまざまな方法で「最後の1席まで売る」戦略を展開。GSAはエアシステムを指名し、GDSはインフィニ・トラベル・インフォメーションと提携。BSPにも加盟している。坪川氏は、今後生き残っていくためにはLCCならではのウェブ直販中心、GDSを利用しない、といった販売戦略にこだわらず「フレキシブルにできることはなんでもやっていきたい」と意気込みを語った。
また、坪川氏は旅行会社との取引の際発生するキャンセル料について「日本の旅行業法を守れるような形で調整済み」であることを強調。現在、海外募集型企画旅行の取消料は、ピーク時を除き30日前以降3日前までが20%以内となっているが、TZではこれに合わせたキャンセル料の支払いをGSA経由で実施していく。
既に本社との社内調整は済んでおり、現在払戻しの仕組みについて検討を開始している。近日中に対応できるようにしたい考えだ。坪川氏は「これだけの覚悟を持って(日本に)入ってきている。皆さんと一緒にやらせていただきたい」と、旅行会社に対し協力を訴えた。
一方、ウェブサイトからの直販についても、消費者の利便性向上をはかりウェブサイトの日本語対応を強化。また、一般消費者向けの日本語予約センターでは日本人スタッフを採用するなど、対応を進めている。さらに、一般消費者の認知はまだ低いとの考えから、オンライン広告や交通広告などを活用したプロモーションも実施していく計画だ。9月のJATA旅博でも独自ブースを出展する。
なお、現在TZでは燃油サーチャージを徴収していない。これについて坪川氏は「航空券以外の付帯サービス収入で1名あたり40から50米ドルが入ってくる」とし、運賃以外に利益を確保できるサービスを提供しているからと説明。当分のうちは徴収しないとしている。