現地レポート:南アフリカ、「質の高さに自信」、ブーム到来で販売拡大へ
南アフリカの基本、ケープタウンとクルーガー国立公園
日本人を惹きつける奥深い魅力-INDABA2013ポストツアー
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遠距離で日本発着の直行便のない南アフリカのツアーは、旅行日程が長期で旅行代金が高く、高収益であるが客層が限られているというのが、カウンターや企画担当者が持つイメージだろう。しかし、日本人旅行者数は高い増加率で推移しており、2012年は30.9%増の3万4415人と過去最多を更新。今年1月は62.8%増とさらに勢いが増している。このブームを逃さず、積極的に販売を広げたい。INDABA2013のポストツアーでは、ハイライトであるケープタウンとクルーガー国立公園を視察。参加者は観光地の魅力と質の高さを感じ、販売に対する自信を深めたようだ。
都市と自然、歴史の好奇心そそるケープタウン
深部の魅力で次につなげる
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南アフリカ南西に位置するケープタウンは、多様なテーマに恵まれた観光都市だ。ランドマークであるテーブルマウンテンでは山裾から海へ広がる街並みと大西洋の絶景が望め、近郊のケープ半島ではペンギンやアシカなどの野生動物を間近に迫ることができる。その南端には大航海時代、アジアへの航路を開いた喜望峰があり、歴史ロマンを掻き立てられる。これらはケープタウン観光で必ずといっていいほど組み込まれており、ツアーのパンフレットを見るだけでもその魅力が伝わってくるだろう。
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しかし、ケープタウンを印象付けるのは、これらの著名な観光スポットだけではない。地理や街がたどってきた歴史とその上に成り立つ文化は独特で、奥深さを引き立てるスパイスとなっている。
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ケープタウンは1652年、オランダ東インド会社が東方貿易船の補給基地として開拓した、南アフリカで最も歴史の古い町だ。19世紀にはイギリスの統治となり、オランダとイギリスの影響を大きく受けている。そんな町の中心部は、立法府が置かれ、南アフリカ第2の都市として現代的な高層ビルが並ぶ一方で、オランダ東インド会社総督の居城やビクトリア様式の建物などが残り、コロニアルシティの風貌も併せ持つ。交易の中継地点として様々な文化が流入した軌跡を垣間見れば、とりわけ旅好きのシニアにはこれまで訪れたヨーロッパやアジアとのつながりに気づくことができ、興味深いだろう。
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もう一つ、文字通りの“彩り”も、日本人にあったテーマだ。ケープタウンからケープ半島は、プロテアやエリカなど6000種以上の固有種を含む「ケープ植物区系保護地域」として世界遺産に登録されている。テーブルマウンテンの周囲だけでも約2000種が植物生えており、季節には山腹や頂上で色とりどりの花が見られるという。南アフリカは花の楽園としても知られており、花好きの日本人にはぴったりのテーマだ。日本と姿かたちの異なる鮮やかな花に関心を深めた人を、ナマクワランドのワイルドフラワーなど花をメインにしたツアーにつなげていきたい。