アクセスランキング、1位はAC羽田線、JATAの価値創造路線も
[総評] 今週は、エア・カナダ(AC)による羽田線への就航意欲などについてお伝えした記事が1位になりました。羽田とB787の組み合わせで、まして最高経営責任者のご発言ですから当然の結果でしょう。ACと成田というと、2011年の就航中止のショックが忘れられませんが、ビジネスとして考えれば仕方のないことであり、考えようによっては旅行業界が売りきれなかったということもできます。
ACの記事の2ページ目では、市場の現状や太平洋路線でのジョイントベンチャーへの参画可能性について書いています。ジョイントベンチャーについては、2位にルフトハンザ・ドイツ航空(LH)グループの記事が入っているのも面白い偶然ですが、今のところは具体的な検討段階にないとのことでした。とはいえ、日本/カナダ間では、この夏スケジュールで羽田以外についてオープンスカイが実現しており(リンク)、今後の動向が注目されます。
一方、市場の現状については、昨年は円高の影響もあって非常に好調であったものの、今年はやや失速気味の懸念もあるようです。これはカナダや米大陸方面に限った話ではなく、ランク外ですが5月の出国者数も11.8%減と2ヶ月連続の2桁減となっており、近距離アジアの低迷が主因とはいえ旅行業界としてまったく嬉しくない話です。
ただ、外部要因に需要が左右されるのは今に始まったことではなく、昨年の好調さにしても、LCCを除けば旅行市場の内部にその理由を見出すことは困難なようにも思います。
こうした中で、5位の記事では、為替レートや景気動向など旅行業界のみでは左右できない要因の変化に一喜一憂し、業績を連動させるのではなく、自ら価値を生んで需要を創出し利益を得るという方向に、日本旅行業協会(JATA)が総力をあげて取り組む姿勢を示しました。特にJATA制作検討特別委員会の中間答申はとても熱のこもった内容で、記事も長くなってしまいましたが、詳細はまったく書ききれてないほどです。
もちろん、多岐にわたる内容の中には「言うは易く行うは難し」である分野も少なからず含まれていますし、計画通りに進むことの方が少ない可能性もあります。しかし、行動するという点においてすでに変化ですから、1歩ずつであっても見える景色は変わっていくはずです。
個人的に、総会の場で印象的であったのは、幅広い業態、規模の会員各社に対して意見を求め、一緒に前に進もうという意思が感じられたことです。誰のためのJATAなのか、旅行業界はどこへ進むべきで、そのためにJATAは何をすべきか―、そういった問いに真摯に向き合っている印象が会場内で共有されたと感じました。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年6月第3週:6月16日0時~6月21日18時)
第1位
◆エア・カナダ、羽田昼便に意欲、実現ならB787優先投入(13/06/17)
第2位
◆LHグループ3社が合同オフィス、連携強化-共通運賃の活用呼びかけ(13/06/16)
第3位
◆JATA旅博、出展好調、会議テーマを決定-前夜祭も開催へ(13/06/16)
第4位
◆楽天トラベルで社長交代、楽天が吸収合併検討(13/06/20)
第5位
◆JATA事務局長に元KNT越智氏、役員6名が交代(13/06/19)
◆JATA、13年度は価値競争へ重要な1年、重点課題に位置付け(13/06/19)
◆JATA、価値創造に向け本腰、特別委員会が中間答申(13/06/20)
第6位
◆現地レポート:ブルーマウンテンズで1泊のすすめ、商品化に高い潜在性(13/06/18)
第7位
◆阪急交通社、12年度決算で営業利益3.4倍に-グループ3社計(13/06/16)
第8位
◆イースター航空、成田増便を延期、来夏に持ち越し-B737受領の遅れで(13/06/18)
第9位
◆沖縄の第2種、サザンツーリスト破産、「サラダツアー」など運営(13/06/20)
第10位
◆デルタ、ビジネス新シートで広告キャンペーン、認知向上へ(13/06/18)