現地レポート:ブルーマウンテンズで1泊のすすめ、商品化に高い潜在性
定番スポットの多様な魅力に焦点
宿泊施設も充実
シドニーから西へおよそ80キロメートル。ユーカリの原生林が広がるブルーマウンテンズ国立公園は、気軽に訪れることができるオーストラリアの世界自然遺産としてオージーはもちろんのこと日本人観光客のあいだでも人気の観光デスティネーションだ。日本からのツアーではオプションとしてシドニーからのデイトリップが一般的。しかし、朝、昼、夜と一日を通して多彩な顔を見せるブルーマウンテンズの真髄は宿泊してこそ味わえる。ATE2013のファムツアーに参加して、「日帰りではできないこと」を探ってみた。
星空にブッシュウォーキング、楽しめる素材いろいろ
ブルーマウンテンズ最大のハイライトはエコーポイントから眺める「スリー・シスターズ」。アボリジニの伝説に登場する、岩に姿を変えられた3姉妹が並んでいる姿はブルーマウンテンズを象徴する風景だ。太陽光が強く温度が上がる昼間、奇岩の背後に広がるジャミソンバレーはユーカリから揮発されたオイルが青く霞がかり、文字通り「青い山」となって、観光客を楽しませてくれる。
スリー・シスターズの表情は、昼間でも太陽の傾きによって刻々と変化するが、夜、漆黒のなかにライトアップされた姿は昼間とは全く違う妖艶な雰囲気を漂わせる。エコーポイントには人もまばらで、空を見上げると満天の星空。静寂のなかで眠るスリー・シスターズは、日帰りツアーでは見ることができない姿だ。
ブルーマウンテンズの楽しみ方のひとつが森林のなかを歩くブッシュウォーキング。国立講演内には多様なトレイルが整備され、その総延長は2万キロ。実に地球半周分の距離になるという。また、エコーポイントのほかにも展望ポイントは多く、時間をかけてブルーマウンテンズに滞在すれば、さまざまな角度から美しい渓谷を眺めることができる。たとえば、シーニック・ワールドのスカイウェイからは遠くに見えるカトゥーンバ滝の近くまで行き、逆に渓谷を渡るスカイウェイを一望できる展望ポイントもある。
定番シーニック・ワールドも進化
ブルーマウンテンズ観光の定番のひとつ「シーニック・ワールド」も相変わらずの人気だ。雄大な自然をレールウェイ、ケーブルカー、スカイウェイの3種類の乗り物で鑑賞。大森林のなかに整備されたトレイルを歩き、原生林の息吹を体感する。急傾斜を一気に疾走するレールウェイは新システムを始めた。これまで52度で一定の傾斜角度だったが、自分で座席の角度を調整することができるようになり、最大64度まで傾けることが可能に。これまで以上にスリル感が増した。
ケーブルカーとスカイウェイはこれまでどおり。前面ガラス張りの車内から、スリー・シスターズやカトゥーンバ滝など特異なブルーマウンテンズの風景をじっくりと鑑賞することができる。ただ、現在シーニック・ワールドでは、3種類の乗り物について1日乗り放題のチケットしか販売していないので、注意が必要だ。また、これまでブュッフェスタイルの食事を提供していた展望回転レストラン(EATS270)には、新たにアジアン、インディアン、イタリアン、オーストラリアンの4軒のフードショップが入ったフードコートに変わった。