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JTB、12年度は増収増益-13年度は投資強化、DMCやグローバル重視

  • 2013年6月2日

JTB代表取締役社長の田川博己氏 ジェイティービー(JTB)グループの2013年3月期通期(2012年4月1日~2013年3月31日)の連結決算で、売上高(※総額)は前年比8.7%増の1兆2355億円となり、2010年度を上回る水準まで回復した。営業利益は35.5%増の154億円、経常利益は45.7%増の185億円。当期純利益は157.7%増の86億円となり、増収増益を達成した。JTB代表取締役社長の田川博己氏は2010年からの中期経営計画を振り返り「構造改革はスムーズに進んでいる」と喜びを示した。

 旅行事業の売上高は、9.4%増の1兆1131億円となった。海外旅行では、秋以降は領土問題などの影響で中国、韓国への渡航者は減少したが、ファミリーやシニア層の需要は堅調に推移。特に団塊世代が好調で、ヨーロッパや中南米などが人気だった。円高も奏功し、売上高は12.7%増の5132億円、取扱人員は8.0%増の394万人となった。個人旅行では、ルックJTBが初の140万人超えとなる144万人を記録した。

 国内旅行は、東京スカイツリーなどの開業による東京都内の宿泊需要拡大や、「日本の旬」キャンペーンなどが奏功し、売上高は5.9%増の5473億円となった。国内宿泊では9.7%の3524億円と4年ぶりに目標を達成。個人旅行ではエースJTBの売上高が7%増となった。訪日旅行は震災の影響からほぼ回復し、50.6%増の336億円と増加。大型国際会議やコーポレート営業強化により、MICE需要の取扱が大きく伸びた。

 グローバル部門は全般的に好調で、取扱額は24.7%増の1711億円となった。海外現地発は、震災後低迷していた海外発日本需要の回復や、海外現地の日系企業に対し営業を強化したことで、MICE事業が42.2%増の100億円と大幅に増加した。海外発の現地受入では、デスティネーションをまたいでの共同営業を実施したことで、中国発東南アジアなどの海外to海外のMICEが増加。日本発海外の現地受入も伸び調子で、着地型商品「マイバス」では取扱人数が20.3%増の189万人となった。

 また、ウェブ事業では、広告宣伝の増強や商品の強化、会員登録者拡大の取り組みなどで、20.3%増の1480億円となった。JTBホームページでは際とリニューアルや宿泊検索システムの最適化などを実施。田川氏によると、かねてより実施してきたWEBと店舗のクロスチャネル販売も「だいぶ浸透してきた」という。また、12年度はウェブ事業拡大のためじゃらんnetやエクスペディアとの業務提携を実施。田川氏は「従来競合だった会社と組むことで、新しい流れを作っていきたい」と意欲を示した。

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